2011年8月13日土曜日

人件費の削減を目的としたシステム化は失敗する。

システム屋として、本当にこんなことを書いていいのかどうか躊躇していますが、バーチャル師匠である神田昌典さんからタブーに挑戦せよ!っという指示を発しておられることですし、自分もプチタブーに触れてみたいと思います。

そのタブーは、人件費の削減を目的としたシステム化は失敗するというプチタブーです。
厳密に言うと、失敗する可能性が極めて高いということですね。

こんなことを書くと、これまで人件費の削減を「殺し文句」にいくつかのシステムを企画してきた人間としては、ともすれば「あんたの商売、サギじゃん。」と言われてそうです・・・

しかし、提案したときは本当に削減できると信じて提案をしていたので、詐欺じゃないですよ。っと先に弁解しておきます(笑)

そして、今後は、これから書くことをクライアントさんに説明した上で、システム化の企画・提案をしていくことを宣言しておきます。

さらに、数多のシステム屋がこれから書くことを知らないまま、システム化の提案をしているということを、企業の情シス担当者、そして経営者は、よく理解しておいてくださいというメッセージも込めています。

すいません。
前置きが長くなりました。
それでは始めます。

企業でシステム導入をする際、開発費の社内承認を得るのに稟議書を起案して、ぺたぺたをハンコを押してもらい、決裁印が押されて初めてプロジェクトのおさいふにお金がチャリンと入る。

どこの企業でも、大よそこの儀式は行われていると思います。

そしてその稟議書に書かれている、もしくは添付資料に書かれているのが「投資対効果」。

大雑把にいうと、「このシステムは、開発費用に1000万かかるけど、導入効果として、3年で1500万円のコスト削減効果があるので、作ったほうがお得ですよ。」といったシナリオで投資対効果の説明が書かれることがほとんどだと思います。

そして、この削減効果の最も着目される点が「人件費」。

何故なら多くの経営者が、今一番削りたいのは何よりも「人件費」だから。
なので、稟議書に書く削減効果として、「人件費がxxx万円減りますよ。」というのは、経営者に対してのキラーワードなのです。

しかし、ここでセントラルクエスチョンを。
本当にシステム化によって人件費は下がるのでしょうか?
これはYesでもあり、Noでもあります。

まずはYesのパターン。

例えば、パートさんや派遣さん等の一時雇用者の方が従事していた仕事をシステム化することによって、これまで5人の一時雇用者でしていた仕事を2名でできるようになりました。だから、3人分の雇用契約を解除することによってその分の人件費が浮きました。

こういったケースはあると思います。
システム化によって人件費が削減できるYesのパターンですね。

しかし、「人件費がxxx万円減りますよ。」の人件費が、一般的に言われる永久雇用を前提とした従業員さんの「残業時間の削減」となった場合、これが実現するのは極めて難しいというのが、これまでの経験から言えます。

こちらがNoのパターン。

では、なぜ永久雇用を前提とした従業員さんの残業時間を減らすのが難しいのでしょうか。

これは、脳と心の仕組みを理解することで、「なるほど。人間ってこういう仕組みでできているのか。だったら、システム化するだけじゃ、人件費は下がらんわなぁ」というのがメカニズムとして理解できるようになります。

ここでいうメカニズムに大きく関連してくる、人間に備わった機能が 恒常性維持期機能。ホメオスタシスという機能です。

リンクを張ったWikipediaの内容にもあるように、一般的にホメオスタシスとは、生体を恒常的に維持する機能。分かりやすく言うと、人間の体温が約37度に保たれているのは、このホメオスタシスによる恩恵です。

そして面白いのが、機能脳科学者の苫米地博士によると、このホメオスタシスは、物理空間だけではなく、情報空間にまで作用するということです。

これはどういう事かというと、例えばある人が、昨日はものすごく社交的な性格だったのに、今日になると一転、内向的な性格になり、あさってになったらものすごく凶暴に性格になってしまう・・・なんてことはないですよね?

性格は、人間が内相的に「自分はこういう人間だ」という無意識レベルの定義付け。もう少し本質的な表現をすると、「自分は社会に対してこういったリアクション・態度を示しておけば生命を維持するのに都合が良い」という無意識レベルの情報から成り立っていると考えられます。

そしてこの無意識レベルで保持している情報空間にも、ホメオスタシスが働いているというのです。

なるほど。
なので、人間は一定の価値基準や思考パターン、そして性格などを保持することができるのですね。

っと言うことは、単純に物理的な生体を維持するのと同時に、自分の脳の中にある情報に対しても恒常的に維持しようとする機能が働いているわけです。

脳の中にある情報は、自分の生命を維持するのに必要な情報が膨大に蓄積されており、その必要・不必要の切り分けを海馬という組織が担当しています。この海馬によって「必要だ」と判断された情報は、長期記憶として人間の脳の中に記憶され、「必要なし」と判断されたものは、忘却の彼方に消え去っていきます。

そして、長期記憶として記録さえた情報は、ホメオスタシスによって恒常的に維持される仕組みになっているということです。

しかし、こう書くと、至極当たり前ですね。

重要だと思って記憶したことが、簡単に書き換えられてしまったら、重要だと判断した前提条件が崩れてしまうわけで、そうなったら重要かそうでないかを判断すること自体に意味が無くなってしまいます。

ただ、この「情報を恒常的に維持する機能」が、極めて強力であるがために、しばしば「変化する」ということに対して消極的な生体フィードバックが強力に働くという側面が有るということを理解しておかなくてはいけません。

ここまで書くと、なぜシステム化だけでは人件費が下がらないか、労働時間が減らないかがなんとなく分かると思います。

システム化は、大なり小なり、現状否定の側面がありまる。

時には、これまで良しをされていた情報、価値基準をひん曲げて、今日からコッチのほうが正しい情報、価値基準ですという変化を伴います。

もちろん、この変化は仕事が楽になったり、早くなったり、正確になったりで、みんなが幸せになる好ましい変化なので、良くできたシステムというのは本当に歓迎されます。

しかし、楽になった、早くなった、正確になった、みんなハッピーになったのですが、システム導入の条件であった「人件費・労働時間の削減」が本当の意味で達成されているのでしょうか?

よく新聞や雑誌などに「◯◯社が、◯◯システムの導入により、◯◯時間を削減!」なんて出ていますが、その時間削減によってもたらされた削減費用の部分が、決算書、P/Lにリニアに反映されているのでしょうか?

恐らく、それはほぼ100%といっていいぐらい無いと思います。

でもシステム導入効果を説明するときの稟議書やシステム屋からの提案書には、そういう効果があるということを示唆するような表現が含まれているわけです。

では、なぜITによる業務効率化によってもたらされた恩恵が、決算書には結びついていかないのか。

ここにホメオスタシスからのフィードバックが関係してきます。

全ての人間にホメオスタシスが備わっていることを考えると、ほとんどの人は、いくら仕事が効率化されても、昨日までの非効率な仕事のやり方を無意識のレベルで保とうとします。

もちろん、これにはいろんな難癖を付けて「システムを使わない」という分かりやすい抵抗も有るのですが、それ以上に厄介なのが、削減された時間を埋め合わせするために、別の新しい仕事を作ってしまうことで、トータル的な労働時間は相変わらず減らないという事象が極めて多いこと。

これは自分のお客様の経営層の方がおっしゃられていたことなのですが、「いくら業務を効率化するためにシステム投資をしても、直ぐに別の仕事をつくる。結局トータルの労働時間は減らない。だからシステム化投資をしても効果がでない。」とおっしゃられていたのを聞いて、はっと気がついたことです。

確かに、プロジェクトをキックオフするまでの企画段階では、机上の計算とはいえ、確実に業務は効率化され、人件費は減るはずなのです。そして確かに削減のターゲットとなった業務は効率化され、それそのものの生産性は上がっているのです。

しかし、そこで減った時間を別の仕事、しかもそれが付加価値を生む仕事であれば、経営者も歓迎すると思うのですが、経営層から見ると、さほど意味もない仕事を一生懸命やっている・・・

なぜこういった事象が発生するのかも、恐らくホメオスタシスからのフィードバックである可能性が極めて高いと推測されます。

永久雇用を前提としないスタッフさんが従事している仕事の効率化であれば、効率化された結果、余剰の発生した契約を解除すれば、確実にその分の人件費は削減されます。

こういった部分は、決算書にリニアに反映されるでしょう。

しかし、法的に簡単に解雇することができない永久雇用を前提としたスタッフさんを対象とした人件費の削減を実施する際には、こういった人間の仕組み・機能をよく理解した上で、システム化+αの対策を講じておかないと、その目標を達成するのは極めて困難なのです。

よって、システム化だけで人件費を削減しようとしても、かなり高い確率で失敗するという仮説を立てることが可能であり、その仮説はこれまでの多くの失敗プロジェクトにより強くサポートされる仮説だと考えられます。

個人の減量プロジェクトに置いて、ホメオスタシスからのフィードバックによる現状維持作用が強く働くことで、目標の達成が極めて難しいことと同じく、企業レベルにおける減量も、全く同じくそこで働く人々のホメオスタシスが強烈に作用していることで、極めて困難なのです。

さらに、ホメオスタシスからのフィードバックは、良い・悪いとか、そういったレベルではないという事を理解しておかなければなりません。

確かに変化に柔軟な性格の人と、そうではい人がいます。
そしてしばしば、変化に対してネガティブな人のことを、抵抗勢力なんて呼ぶこともあります。

しかし、この抵抗勢力と呼ばれる人の反応も、生体を維持する機能から派生したリアクションであることをよくよく理解しておかないと、「なんであの人は・・・」なんて事になり、最悪のケースとしてはチームの崩壊という憂き目に合います。

また、ホメオスタシスというレベルからみると、変化に柔軟な人も、そうでない人も、結局は過去の経験から「変化したほうがより良い選択」なのか「変化しないほうがより良い選択」なのかの選択基準が異なっているだけで、その選択基準はホメオスタシスからのフィードバックであることが言えると思います。

つまり、眼に見える行動や表現が異なるだけで、その根っこにある仕組みそのものはみんな同じということです。

だから、変化に柔軟な人=良い人、変化できないひと=悪い人では無いのです。
だって、体温を一定に保っている人=悪い人ではないですよね?

このことは、人をマネジメントする層にいる人は、特に良く理解しておいたほうが良いと思います。このことを理解しておくと、いろんな意味で人に優しくなれます。


さて、そうは言いながらも、やはり時には変化をしないと生命の維持すら危ぶまれることがあるのも事実です。

ダーウインは、「生き残る種族は、強いものでも賢いものでもなく、変化できるものである。」という言葉を残しているそうです。

やはり、常に変化を嫌い、現状を維持するだけでは生き残ることはできません。

しかし、変化する事に対して、強烈に抵抗するホメオスタシスは全ての人間に備わっているので、この機能をコントロールする策をしっかりと持っていくことが、生き残りの鍵、プロジェクトでいうと成功と失敗を決定づける大きな要因になりそうです。

では、このホメオスタシスからのフィードバックに対して、人間は完全に無力なのでしょうか?常にホメオスタシスからのフィードバックに踊らされるだけなのでしょうか?


いえいえ。
そんなことはありません。
例えば個人でもダイエットに成功している人はたくさんいますから。

これにはいろんな成功要因があると思いますが、普遍的事実として、ダイエットに成功した人というのは、ホメオスタシスのマネジメントが上手にできた人という事になります。

っと言うことは、ホメオスタシスをマネジメントする方法は存在するのです。

そして、このホメオスタシスをマネジメントする技術を身につければ、様々な変化を伴う行動やプロジェクトをスムーズにこなすことができるという事になります。

それでは、今回はここまでにして、次回はこのホメオスタシスのマネジメントについて書きたいと思います。


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2011年7月22日金曜日

サラリーマンに無価値感・劣等感を植えつけるな!

神田先生が監訳された「新しい働き方」が出来る人の時代。Work3.0を読んでいる途中から、無性にハラが立ってきた。

仕事が立て込んでいるので、ブログを書いているよりも、プログラムを書きたい衝動に駆られるのだが、これだけはどうしても書いておきたいと思う。

同書を読んでいて、自分にカチッとスイッチが入ったのが、リーダーシップに関するクダリ。
リーダーシップは、聞き分けの良さを身につけるのと同じぐらい簡単に身につけることができます。今の世の中になにより必要なのは、従順さではなくリーダーシップです。

たしかにそうかも知れない。
いや、たしかにそうなのだろう。

しかし、この本のタイトルと、このリーダーシップに関するくだりを読んで、自分のリーダーシップに自信がない人が読んだらどう思うだろうか。

恐らく「自分にはリーダーシップが無いから、生き残れない時代が来るのではないか?」と、思いっきり恐怖のボタンを押すことにはならないだろうか?

もちろん、目の前で車がドカンと爆発するような類の恐怖感ではなく、毎日の生活の中で、じわじわと無意識レベルで、しかし確実に恐怖のボタンが押下される。

こういう恐怖の煽り方をして、誰がトクをするのか?
恐怖を煽るというのは、求心力や支配力、影響力を持つための方法として最も手軽な方法だ。

本人は意識していないかもしれないが、こうやって恐怖を煽る論調は、自分の支配欲が丸出しの状態だということをまず認識すべきだ。

こんなことは子育てをしていればすぐに分かる。
子どもに恐怖を持って言う事を聞かせようとする行為は、自分の思い通りに子どもを動かしたいよくを満たすときの最も手軽な方法だ。

しかし、その反作用として、将来に渡ってその子に劣等感(コンプレックス)を植えつける最も手軽な方法でもある。

だから、こんな表現はしてはいけないの。
人に劣等感を植えつけるようなことをしちゃいかんの。

体の傷以上に、心の傷は治らんよ。

確かに、今の世の中は、リーダーシップを発揮できる人、クリエイティブな人が必要だと思う。そのことに対して異論はないです。

しかし、だからといってこういったアビリティを持っていない、もしくは不得意な人が「無価値」だと受け取られるような表現はすべきでない。

もし私が表現するとしたら、

これからは、リーダーシップを発揮できる人、クリエイティブな人に日が当たる時代、こういった人がヒーローになる時代です。  
また、残念かもしれませんが、こういった分野が不得意な人は、あまり日が当たらなくなる時代になります。
だから、もしあなたがヒーローになりたければ、こういった分野の能力を身につけ、そして実際に行動しましょう。きっと、これまでとは違う、エキサイティングでわくわくするような毎日があなたを待っています。 
ヒーローにならなくても良いという人は、不本意ながら日陰の存在になるかもしれません。しかし、それがなんだというのでしょうか。
10人が10人、ヒーロなんて状況はあり得ないのです。 
あなたはヒーローを譲ってあげられる、勝ちを譲ってあげられる存在。
だから、これまでどおり、縁の下の力持ち的な存在として、しっかりと仕組みを回していくメンテナーとして、自尊心を持って生きて行けばいいのです。

私だったらこう表現する。

ここではクリエイターとメンテナーという表現を使った。
もちろん、リーダーとフォロワーと読み替えてもOKだ。

世の中には、つくるのが得意で好きなな人と、仕組みを回す・維持する人が好きで得意な人の2種類がいる。

それぞれは、単純にこの世の中に必要な「機能」であり、どちらが優秀で、どちらが劣っているという話ではない。

良く考えてほしい。

会社の中で、全員がクリエイティブな人間だったら、それこそ収集がつかない。
クリエイティブな会社として真っ先に思いつく会社にアップルを上げる人は多数いると思うが、アップルの社員、そして関係者全員がスティーブ・ジョブズみたいな人だったら、会社として・組織として成立しない。

個人的な感覚では、リーダーシップを持つ人、クリエイティブな能力を持っている人間は、5〜10%いれば十分だ。

たまたま、今の時代が、旧来から回してきた仕組みが陳腐化したおかげで、新しい仕組みが求められている。

だから新しい仕組みをつくることができるクリエイターが求められているだけという話なのだ。

一方、いつの時代でも何らかの仕組みは回っているわけで、その仕組はメンテナーによって回されている。だからメンテナーが無価値である、劣っているというのはあり得ない話なのである。

言葉遊びになるかもしれないが、「必要とされる人」が成立する条件は、数学的・関数的に捉えると「必要とされない人」がいることが前提になる。

ということは、必要とされる人が存在するには、必要とされない人が存在することが条件であり、だからこそ、こういった存在は必要なのです。だから不必要な人というのはいないのだ。

リーダーシップだって同じ。
10人が10人、全員がリーダーだったら、リーダーって言うカテゴリー、言葉は存在し得ない。

リーダーが成立する条件は、リーダーじゃない人がいるからこそ。
だから、どっちが優秀でどっちが劣っているという話ではなく、双方ともに必要な「機能・役割」だと認識するべきなのだ。

そして逆もまた然り。
10人が10人、リーダーじゃない場合も、同じくリーダーというカテゴリー、言葉は存在し得ない。双方が同時に存在して、初めてリーダーという存在が成立する。

だから、どちらが必要でどちらが不必要という話ではない。
双方ともに、必要な「機能・役割」なのだ。

細胞でも原子でも、「核」ってありますよね。
「核」をリーダーに例えると、確かに、核がなければ細胞は成立し得ないけど、核だけでも細胞にならない。核と、それ以外の構成要素が同時に機能してはじめて細胞になる。

どこまで行ってもそうなんです。


ここ最近、次のような論調が、私のFaceBookに次々と流れこんでくる。

経営者 > サラリーマン
起業家 > サラリーマン
フリーランサー > サラリーマン

私もフリーランサーになる前は、少なからず上記のような序列構造を、自分の価値観として持っていた。

しかし、これはとんでもない誤解だということが、これまでに書いてきた内容からよくわかるはず。

私自身、こういう序列をする事自体、実は無意識レベルにおいて、無価値感にまみれているという、何よりの証拠だと言う事に気がついた。

そもそも、経営者も起業家もフリーランサーも、大きな視点で見れば、サラリーマンがいるから成立する役割。

最後にもう一回書きます。

これから20〜30年は、メンテナーよりもクリエイティブな人がヒーローになる時代。
これについては何の異論もないです。

でもだからといって、メンテナーが無価値かといえばそうではなく、単純にヒーローになりづらい世の中になるってことです。

だから、クリエイティブな事が好きではなく、既存の仕組みを回すことが好きで得意な人は、それを一生懸命、誇りを持ってやればいい。ヒーローには慣れないかもしれないけど、生き残れないなんて言うのはあり得ないです。

生き残れないのは、ナマケモノなんです。
与えられた機能・仕事を、しっかりと果たさない人なんです。

メンテナーであることに誇りを持って一生懸命仕事をしている人と、才能も無いのにタナボタで経営者になって、怠けた経営をしている人、どっちが生き残ると思いますか?

こういう怠けた経営者に限って、「うちの社員には経営者感覚がない」などと曰わる。
アホかと。経営者には経営者としての機能・役割があって、それを社員に求めるのはナマケモノもいいところだ。

じゃぁお前は社員さんがやっている専門的な仕事、できるのかよと。

もし「うちの社員には経営者感覚がない」と思ったら、それは自分に経営者の能力がないと思ったほうがいい。

そしてその人が取るべきアクションは、「僕は社長になったけど、経営者の才能がないので、そういった才能がある人を社内外から広く募って、経営を任せたいと思います。」と宣言し、速やかに経営者の役割から、自分の機能・能力を生かせるの役割にシフトすることだ。

大事なのは、

自分が持っている才能を活かすこと。
人に喜ばれる仕事を一生懸命すること。
それぞれが持つ機能と役割を、尊重し合うこと。

これだけですよ。
そんな優劣付ける話じゃないんですよ。

人に劣等感を与えるようなことをしちゃイカンのですよ。
人に劣等感を与える行為は、自分の劣等感を相手に投影しているだけだから。
自分が劣等感まみれ・無価値感まみれ丸出しということすよ。

あぁ〜
なんだか赤ちょうちんのオヤジの嘆きみたいなブログになっちまった・・・


追伸:

今から20〜30年前は、クリエイティブな人に日が当たらない時代だったはず。
1970年〜1980年代は、フリーランスや起業家(マイノリティ)というのは、組織(マジョリティー)からドロップアウトした負け犬だったはず。

つまり日の当たらない、ヒーロではない時代だったはず。
それが今、単純に、日の当る方向、ヒーローに必要なアビリティが逆転しただけなんすよ。

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株式会社ライジングサン・システムコンサルティング
岩佐和紀
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2011年7月15日金曜日

ノマドワーカー的キャリーバック


昨日にひき続いてノマドワーカー的キャリーバック編を書いてみたいと思います。

私は東京⇔長野間を頻繁に行き来することもあり、多いときには毎週1〜2泊の出張が入る時があります。

そんな時に活躍してくれるのがキャリーバック。

数日分の着替えと商売道具を軽々と運ぶことができる、重要な助っ人ツールのひとつです。

ただ、自分のワークスタイルに合うキャリーバックを見つけるまでは相当ストレスフルでした。

ストレスの原因は、どのタイプのキャリーバックも「堅牢性・防滴性」と「ノマドワーカー的利便性」が、トレードオフの関係にあったからです。

まずは堅牢性・防滴性に付いてですが、キャリーバックは、気を付けて使っていても、どうしてもぶつけてしまいます。

化繊素材キャリーバックは、ポケットにPCを入れるスペースがあり、ファスナーをちょっと開ければ直ぐにPCが取り出せると、利便性は非常に高いのですが、反面、外側のポケットは、一番物理的にぶつけてしまう箇所でもあります。

さらに、化繊系キャリーバックは雨によるダメージも無視できません。

キャリーバックを傘の下で転がしながら歩くことは至難の業ですし、ビーチパラソルのようなでかい傘を持つわけにもいかない。

雨の度に防水カバーを掛けるのもすごく面倒です。

こういった堅牢性・防滴性の弱点を補おうとすると、真っ先に思いつくのが、キャリーバックのハードケース化です。

しかし、それを採用すると、今度は利便性が一気に下がります。

ハードケースのキャリーバックは、ポケットが無いので、バック中のPCやノートをすぐに取り出せません。

まさか出先のカフェやお客さん先で、ハードケースをバカっと開けるわけにもいかず、取り回しの面で一気に利便性が下がります。

そんな悩めるノマドワーカーだったのですが、ついに双方の弱点を補ってくれるアイテムを見つけました。

それがこちら!

ACTUS トップオープン キャリーバック
※東急ハンズのネットショップが開きます。

なんとこのキャリーバック、ハードケースでありながら、上部のハッチを開けると、中のPC・iPad・ノートなどをさっと取り出すことができます。

このおかげで、カフェやお客さんさきでお店を広げるときにも、スマートに商売道具を取り出すことができます。

また、写真でもなんとなくわかると思いますが、このハッチのウラはメッシュポケットになっています。


ここに、AC電源や各種ケーブル類、そしてサイフ・ポケットWiFiなどを収納しておくことができます。

特にサイフとポケットWiFiを収納できるのは便利です。

最近のスーツは、タイトなデザインのものがが多く、サイフやポケットWiFiをポケットに収納しておくと、ものすごく見た目が悪くなります。

このポケットに収納しておけば、支払いの時やPocketWiFiの電源On/Off操作もストレスが無くなります。

さらに、このキャリーバックには、PC専用の収納スペースが設けられており、そこには、かなりしっかりとした緩衝材が実装されています。

この収納スペース内でPCが暴れないように、マジックテープのベルトも設けられており、しっかりと商売道具を守ってくれます。

私はこのPC収納スペースに、MBAir/iPad/スケッチブックを収納しています。

お客さん先でもカフェでも、さっと商売道具を取り出せるのは、やはり気持ちよく仕事をするために重要な要素ですよね。

そして何よりもハードケースで防滴・堅牢と、衝撃にデリケートな電子機器を商売道具とするノマドワーカーには、欠かせないキャリーバックです。

なんかテレビショッピングのセールスみたいになってきましたね(笑)

でも、それぐらいお気に入りのキャリーバックです。


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2011年7月14日木曜日

ノマドワーカー的ビジネスリュック

ノマドワーカーのこだわりとして、商売道具の持ち運び手段があると思います。

この持ち運び手段が快適であることも、出先での仕事を気持よく取り組むために重要な要素になりますよね。

私は、宿泊が必要のない移動ではリュックを、宿泊が有る場合はキャリーバックを使っています。

これらのアイテムは、ノマドワーカーの移動スタイル・コンディションにマッチしたものとそうでない物があります。

今回は私が使っているリュックとキャリーバックをご紹介したいと思います。

まず、実際のアイテムをご紹介擦る前に、私が常に持ち運んでいる商売道具を明確にしておきましょう。

・MacBookAir 13インチ
・iPad2
・スケッチブック(MindMap用)
・ペンケース
・各種ケーブル類(AC電源・USBケーブル)
・各種周辺機器(USBメモリ・外付けHDD)



そして、こちらが実際に私が使っているお気に入りリュックです。

ロープロ カメラバッグ コンプデイパック





次に、おすすめの理由をまとめてみます。

専用スペースが確保されていて、MBAirがスムーズに収納可能

PC専用スペースが確保されていることは、必須条件でしょう。
これがないと、移動中にPCが暴れて極めてストレスがたまります。

最近のMBAirHDDSSDなので、PCが暴れることによる故障のリスクは低い事は確かです。

それでもやはり、しっかりとPCがホールドされていることは、移動ストレスを軽減する意味で、重要なことだと思います。

また、このリュックで嬉しいのが、PC専用スペースに資料をしまうためのポケットが有ること。



私は、PCスペースに、MacBookAirを、資料スペースに、iPadとスケッチブック、そして資料をいれています。


リュックが自立すること

過去に沢山のビジネスリュックを使ってきたのですが、それまでの経験から一番求めていたことが、リュックが自立するという事です。

リュックを下ろしたときに、リュックがサっと自立するのか、ぐにゃっと倒れてしまうのかでは、やはりその時に感じるストレスは全く異なる。

例えばカフェで一人がけの席に座るときに、自立するリュックを持っていると、リュック隣の席に倒れてしまうことに気を向けなくても良くなります。




他にも、カウンターで支払いをするときにリュックからサイフを出すときなど、自立してくれるリュックだと、こういった何気ない日常の動作をストレスなくこなすことが出来ます。


機能的なコンパートメント



このリュックの底部分にはレンズ用コンパートメントがあり、これがいろんな役割を果たしてくれます。

1泊2日の短期出張で、手持ちする着替えが少ない場合は、この部分に収納することができますので、着替えと仕事道具の収納場所をキレイに分けることができます。


また、レンズ用コンパートメントなので、しっかりとした緩衝材が使われています。


デジタルビデオカメラやミニ三脚など、ちょっとかさばるアイテムを持ち運ぶ時も、このパートをうまく使うことで、安全で快適に持ち運ぶことができます。




以上、ノマドワーカー的ビジネスリュックについて書いてみました。


次回は、ノマドワーカー的キャリーバックについて書いてみたいと思います。


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2011年5月30日月曜日

思考の質に合ったツールを知る・使う - ペーパープロトタイピング編

先日の問題提起編から続いて、本日は「ペーパープロトタイピング編」を書かせていただきます。

今回の勉強で学んだことは、ペーパープロトタイピングという本に書かれている、こちらのコラムに集約されていました。

引用開始
プロトタイプが雑なほど、フィードバックの質は上がる。
我々の目的は、
1.このデザインがあくまでも原案であることを強調すること
2.プロジェクトの方向性について委員会と活発な話し合いを行うこと。
3.デザインプロセスに参加している、そして、彼らの労力と専門知識がプロジェクトに生かされている。
・・・っと審査委員に実感させることの3つでした。
会議での目標を確認した結果、洗練された模型よりも、手書きの雑なプロトタイプで行こうと決めました。
これは大成功でした。審査委員たちはこのプレゼンテーションに大変な興味を示し、提案や建設的な批判を返してくれたのです。彼らは審査の後にも、好意的な意見とアイデアを寄せてくれました。これは、これまでのプロジェクトにはなかったことです。
委員たちは、プロトタイプが手書きだったことで、作業に参加している実感が湧いたとコメントしています。
3ヶ月後、実際に動くデモ版アプリケーションでプレゼンテーションを行うことになりました。このデモには、審査委員会から提案された数多くの意見を反映させ・・・(中略)
このプレゼンテーションは、前回よりもさらに大きな成功を収めました。委員たちは自分たちのアイデアが実現したことを喜び、チームの一員になったの感じたのです。また、彼らは完成版のスクリーンショットとデザイン用のスケッチを見比べて作業が大きく前進していることに歓喜の声を上げました。
引用終了

このコラムを読んだ時、私は目からウロコが何枚も落ちました。
その前に、ペーパープロトタイピングについて少し説明擦る必要がありますね。

ペーパープロトタイピングとは、上に書いた画面デザインのラフを用いて、操作性や要求の本質をヒヤリングする手法です。
恐らく日本ではほとんど用いられていない手法だと思います。
実際、ペーパープロトタイピングの事を専門に解説した書籍は、私の知る限り先日ご紹介させていただいた1冊のみです。

このペーパープロトタイピングを実際にどのようにすすめるのかは、映像を見てもらったほうが分かりやすいと思います。
ちょうどYouTubeにアップされていたこちらの映像で感覚を掴んでいただけるのではないかと思います。


私が理解する限り、ペーパープロトタイピングのポイントは次の3つになります。

①コンピュータの役割をする人と、ユーザの役割をする人の最低2名でプロトタイプシナリオを実行する。
②コンピュータ役の人は、ユーザと一切話しをしない。
③シナリオを実行しているシーンをビデオに撮影し、後ほどその映像をレビューする。

いかがでしょうか?
あまりにもアナログでスマートではない手法。
とても洗練された手法ではないと感じるのが、殆どの人の第一印象だと思います。

しかし、このペーパープロトタイピングという手法のウラに隠れている人間心理に自然なアプローチであることを理解できる方にとっては、「なるほど!その手があったか!!」っと思わず膝を打つような手法ではないかと思います。

まず私が感じたのは・・・

っと、今回も長くなりそうなので、一度ココで今回の投稿を区切ります。
次回は、このコラムを人の心と脳の仕組みという観点から、深読みしていきたいと思います。

お楽しみに♪

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2011年5月28日土曜日

思考の質に合ったツールを知る・使う - 問題提起編

昨日は娘が通っている幼稚園の田植えでした。
今年年長さんの娘、そして我が家にとっても(今のところ)最後の大地での田植え。

この田植えは「苗を植える」以上に、親と子どもが泥だらけになって体を使って遊ぶことに意義があると勝手に(?)思い込んでいる数家族がおりまして・・・

オヤジ自らが水がたっぷりはられた田んぼの中を駆けまわり、叫びまわり、そして泥水にダイブ!! まるで人間田おこしの如く田んぼの中で激しく暴れ回ります(笑)

以下3枚は去年の田植えの写真。
プロのカメラマンの方が、カメラにサランラップを巻いて撮影していただきました。




写真をアップして気がついたのですが、うちの娘の同級生のオヤジは全員フリーランス・個人事業主ですね・・・

うちの娘、最初の年は田んぼに入ることすら嫌がって泣いていたのですが、今年はオヤジと一緒に先頭切って泥だらけになって走り回っていました。

うんうん。成長したものだ。
オヤジも負けじと成長しないとね。

っと言うことで、その成長するための勉強で得たことをアウトプットさせていただきます。

今回の話題は表題にあるとおり、「思考の質に合ったツールを知る・使う」です。

ここ最近、今一度上流工程の進め方や勘所を再度勉強し直そうと、BABOKとプロトタイピング手法について数冊の書籍を読みました。

この勉強の過程で新たに気づいたこと、それは・・・

思考の質が発散を目的としたものであれば、アウトプットするツールはルーズに表現できるものが、収束を目的としたものであれば、ツールは精緻なモノが良い。

っと言うことです。

ここでルーズなアウトプットをするツールとは、例えば手書きのマインドマップや、手書きの画面デザイン、業務フローチャートになります。

逆に精緻なアウトプットをするツールとは、PCで記述したマインドマップや画面デザイン等の各種ドキュメントになります。

そもそも、上流工程の再勉強を始めたのは、自身が手がけているプロジェクトを通して、その進め方と方法論に改善すべき問題が見つかったからです。

私はシステム開発にFileMakerを使ったプロトタイピング手法を用いているのですが、しばしばクライアントさんから「??」っと感じるフィードバックを受けることがありました。

このFileMakerという生産性の高い開発プラットフォームは、例えばエンドユーザさんからヒヤリングし、1週間後には、ある程度動く形、時にはそのまま業務で使える形でプロトタイプを開発することができます。

プロジェクトの多くの場面では、このFileMakerを用いたプロトタイプがうまく機能し、早期にクライアントさんの要求を汲み上げられ、開発の手戻りに関しても、一般的なウォーターフォール手法と比較すると、全体的な開発パフォーマンスは3割から5割程度、効率化されているのではないかと感じています。

そんな「いいことばかり」のようなプロトタイピング手法ですが、いくつかの落とし穴にはまったことがあり、それが今回改善したいと思っている問題点でもあります。

それは、開発初期段階における機能要件のヒヤリングを目的としたプロトタイプレビューにおいて、クライアントさんからフィードバックされる内容が、画面のフォントの大きさであったり、オブジェクトの位置であったり、全体的な色合い、画面構成といった「上流工程時点ではある意味どうでも良い」内容のフィードバックが大量に発生したことです。

次回レビューまでにクライアントさんが指摘したこれらの内容は、当然修正しておかなければ、「自分の言ったことが伝わっていない」と判断され、また同じ指摘が繰り返されます。

いくら技術者側が「これはプロトタイプなので、本番システムではしっかり直します」と言っても、そういった「細部」がどうしても気になるようで、「本質的な」要求がなかなか固まらないというジレンマに陥る場面が何度かありました。

FileMakerを使ったプロトタイピングでは、プログラミングやDBのスキーマ設計などが極めて短い時間でできてしまうのに対し、作業的な手間が一番かかるのは、実はUIデザインなのです。

こういったUIに関するフィードバックが、上流工程で大量に発生すると、本来の目的である機能要件の分析・定義に投下する時間が圧迫されてしまい、UIの作り込みに大量の時間を投下せざるを得ないという状況になります。

プロトタイピングの採用により、確かに開発パフォーマンスは上がっているのですが、こういった部分はもっと改善できるのではないだろうか?

これが、今回の問題点であり改善のテーマでもあります。

っと言うことで、今回はプロトタイピング手法を用いたプロジェクトで、自分が遭遇した問題について書き起こしてみました。

今回は問題提起までにとどめておき、次回の投稿で具体的な対策について書いてみたいと思います。

以下、今回の勉強で使った書籍をご紹介いたします。

BABOK超入門
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822262545/httpcocoqubel-22/ref=nosim

ペーパープロトタイピング
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274065669/httpcocoqubel-22/ref=nosim

ソフトウェアプロトタイピング
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320097564/httpcocoqubel-22/ref=nosim

最後に、このブログを書くに当たって書いた手書きのマインドマップを・・・



それでは皆さん。
素敵な週末を!

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株式会社ライジングサン・システムコンサルティング
岩佐和紀
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 FileMaker認定デベロッパーVer10/11

2011年5月27日金曜日

在宅勤務でも仕事のパフォーマンスを下げない仕組みづくり

震災後、BPCの流れから「在宅勤務」に関するニュースやIT製品、サービスの情報を目にすることが増えました。

私がコンサルティングさせていただいている企業さんからも、最重要検討材料のひとつとして、BCPと在宅勤務に関するソリューションを早急に経営層に提案したいというご相談をうけています。

そこで私がアドバイスしていることは、「在宅勤務は甘く無いですよw」という事です。

甘く無いとは、いろんな捉え方が有りますが、少なくとも一般的に言われている「管理が難しくなる」や「機密情報漏洩リスク」に関することではありません。

在宅勤務が語られるときのメリットとしてよく言われることが、「通勤時間が減るから労働生産性が上がる」という件があります。

残念ながら、こうなるケースは極めて限定的だと個人的には思います。

在宅勤務は「他人の目」が無い分、相当強いセルフコントロールができないと、仕事で結果を出すのは極めて難しくなります。恐らく在宅勤務を初めて、最初の数週間はついついSNSやYouTubeで多くの時間を費やしてしまって、自己嫌悪に陥るなんてことは多くの人が経験されると思います。

個人的な経験でも、本当の意味で在宅勤務に慣れる、在宅勤務のほうがパフォーマンスが上がると実感できてきたのは、在宅勤務を初めて半年以上たってからだったと記憶しています。

そこで、在宅勤務のパフォーマンスをに少しでも向上させるために押さえておきたいポイントを列挙しておきましょう。(岩佐の個人的な経験に基づいたものです。)

①自分がどういう仕事が好きで、どういった仕事が嫌いかを明確にしておく
②自分がどういった仕事が得意で、どういった仕事が苦手かを明確にしておく
③自宅以外の仕事場(カフェ・ファミレス)等、数カ所をピックアップしておく。
④仕事の質に合わせて作業場所を変える。

ざっと上げてみました。

①と②については、似ている項目ですね。
この本質は、「ほっといても勝手に集中できる仕事」と「追い込まれないとなかなか手がつかない仕事」に分けると分かりやすいかもしれません。

在宅勤務は他人の目が無いだけに、パフォーマンスは自分のモチベーションがダイレクトに反映されます。社内で集中して作業をしていたときに、電話や他人からの割り込みでその集中力が途切れてしまったという経験を持っている方はたくさんいると思います。

しかしこの逆で、やりたくもない作業でも、他人の目があるし仕方がないからやっているという作業も実はたくさんあります。この「他人の目があるから仕方なくやっていた」という作業の効率は、在宅勤務になるとガクっと落ちます。

個人的に、こういった作業は「他人の目があるところ」。
つまり、ファミレスやカフェで集中的にやるようにしています。

こういった場所であれば、「快適なネット環境が無い」ので、YouTubeやSNSに逃げることもできず、またダラダラと長居をするのも気が引けるので、さっさと終わらせて外に出ようという無意識の力が働きます。この無意識の力を借りてパフォーマンスを上げます。

私のようなフリーランスになると、例えば不得意な仕事ややりたくない仕事は、最初から受注しないであったり、アウトソースするなりといった工夫ができるのですが、会社員となるとそれは難しい。であれば、できるだけこういった仕事を軽やかに消化できるような仕組みを整えておくことは大切な事だと思います。

以上、在宅勤務のパフォーマンスを上げるということで書いてみました。
何かのお役に立てれば幸いです。

さて、今日は娘の幼稚園の田植え。
今年は年長さんで最後の田植えにナリマス。
私もがんばって植えてきます!!

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2011年5月23日月曜日

SHOT NOTE を iPodTouchで試してみた。

先日東京出張した際、iPhoneのアクセサリーアイテム販売コーナーで見かけて衝動的に買ってしまったSHOT NOTE

これは自分で使うというよりも、今手がけているプロジェクトでお客様に提案できると直感的に感じたからです。

そのお客さんにご提案できそうなメモパッドをS/Mの2サイズ購入して、意気揚々とAppStoreへ。

そしたら・・・

ガチョーン。
iPodTouch/iPad2は未対応という無情な注意書きが・・・orz

しかし、Googleで検索してみると、iPodTouchでShotNoteを(割りきって)使っているユーザさんもいるようなので、早速私も試してみました。

まず、以下3枚がSサイズのメモパッドに書いてiPodTouch4Gで撮影したメモです。

使用したペンは、いずれもパイロットのフリクションボール0.7mmです。






いかがでしょうか。

使用している色によって、かなり視認レベルが変わってきますね。
やはり黒や赤は認識しやすいですが、やや薄い青色は文字レベルにすると、視認レベルが落ちるようです。

鉛筆・シャープペンシルで書いたものはほとんど読み取り不可でした。
やはりビビットな線を描画できるペンや万年筆がベストだと思います。

次にMサイズのメモパッドに書いた物を。
使用したペンは、最初のメモが同じくパイロットのフリクションボール0.7mm。

うぅ〜ん。
まぁそれなりに何が書いてあるかぐらいは認識可能ですね。

簡単な立体図も書いてみました。
目的にもよると思いますが、単純に思いついたアイデアを書き留めておきたいといった程度の利用用途であれば、十分にその機能は話せるのかなと思います。

次のメモで使用したペンが、三菱ピュアカラーの中字0.8mmです。


文字というレベルでは、後者のほうが断然見やすいですね。
但し後者のほうはサインペンということもあり、細かい文字や図を書くことは難しく、利用範囲は限定されそうです。

っということで、iPodTouchでShotNoteを使った結果をレポートさせていただきました。

このShotNoteが使える!と思ったのは、FileMakerGoとの組み合わせでソリューションを構築するアイデアを思いついたからです。

ShotNoteで撮影したメモは、iOSのカメラロールに保存することができます。
そして、カメラロールの画像はFileMakerGoのコンテナフィールドに直接保存することができます。

ShotNote→カメラロール→FileMakerGoと、間にカメラロールがはいってしまうのが、操作としては少々面倒臭いですが、例えばこれがスキャナを使用するということになると、それ以上に面倒な作業工程を踏むことになります。

ある情報をチームで共有するのに、その情報をコンピュータ上のテキストデータにする必要がなく、またその情報を生成する工程として、キーボードやコンピュータソフトウェアを使うよりも手書きのほうが早くて簡単というケースは、日常業務の中にまだまだあります。

こういった情報をコンピュータで管理しようとすると、キーボードで入力するなり、特殊なソフトウェアを使うなりというこれまでの作業工程を大幅に変える必要性と、そのシステムの構築費用、さらに多大な教育・訓練コストが新たに発生します。

こういったコストと時間をかけることなく、必要な情報を必要なレベルで共有できる仕組みのひとつとして、FileMakerGo+ShotNoteは使えると思ったのですね。

しかし、今回のテストを通して、記録するメモの内容が詳細に視認できなければならないような場合は、やはりデバイスとしてiPhoneが必要になることがわかりました。

iPodTouchは安くて回線契約の必要もないので、手軽に導入できるデバイスなのですが、iPhoneとなるとそうはいきません。

提案するかどうかは・・・
ま、一度簡単にお客さん先でデモンストレーションしてみることにします。

最後に、参考情報として上記のメモをScanSnapでスキャニングしたデータをアップしておきます。



当たり前ですが、比較になりませんね(笑)

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2011年5月16日月曜日

本日の職場完成!

今日はちょっとゆるネタを。


プロフィールにもある通り、私は横浜から長野県の飯綱町というところに移住しました。
こちらに移り住んできて、ちょうど2年が経過したところです。


きっかけは娘の幼稚園だったのですが、当然自分の理想の仕事環境をつくることも大きな目的のひとつでした。


理想の仕事環境は人それぞれだと思いますが、私の場合は自然とクリエイティブワークの融合。

人は自分が自然な状態に入れるときに、最高にクリエイティブな状態になれると思っており、私にとっての「自然」な状態は、そのまんま「自然」の中に身をゆだねること。



そうすると、こういった職場環境になるわけですね。



日差しが強くなってきたのでパラソルを増設しました。
昨年買ったものなのですが、安物で足が壊れてしまいました。
・・・ので、地面に直接杭を打って、ガムテでぐるぐる巻きにして固定しています。

電源はReelコンセントから。

ちょうど今の季節はりんごの花が満開です。
仕事道具はMacBookAirとiPad2。
リンゴつながりとうことで、ジョブスさん喜んでくれますかね(笑)


っということで、一週間の始まりです。
みなさん、はりきって行きましょう!!


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2011年5月14日土曜日

安定したシステムはもちろんWelcomeなのですが・・・


昨年の1月に初めてiPodTouch3G、5月にiPad、10月にiPodTouch4G、12月にMacBookAir、そして今年はiPad2・・・
あっという間に自分の周りがAppleプロダクトに侵食されていっていますw

最近すっかり身の回りのOSはiOSとMacOSになってしまい、Windowsは本当に限られた時間しか使わないようになってしまいました。

もちろん、自分が開発したシステムを使うクライアントさんは100%Windowsユーザなので、完全な脱Windowsというわけにはいかないのですが、まさかここまでWindowsから離れられるとは思ってもみませんでした。
最初は勉強のつもりでMacOSを使い始めたのですが、いやぁ〜このOSの使い心地のいいこと。
正直、この使いやすさ・・・っというよりも、使ってて心地が良いという体感覚ですね。
これはなかなか言葉に表しづらい。

この使い心地の良さというのは、どうしても言葉で説明できない。
もちろん、自分の言葉のボキャブラリの少なさや表現する技術のしょぼさというのはもちろんあると思いますが・・・

AppleがMicrosoftを売上・利益ともに抜き去っていったニュースがつい最近流れていましたが、MS-DOS3.1の時代からMicrosoftのOSを使い、その上で動くアプリを開発してきた人間にとっては、感慨もひとしおな感じです。

さて、前置きが長くなりすぎましたが、こうやって新しいOSを心地良く触っている中で、ひとつ「このままじゃいかんなぁ〜」と思っているのが、OSの仕組みを探求するということをほとんどやっていないこと。

いにしえのOS・・・っといっても、私の場合はWindowsであるが、その不安定さといったら現在の比ではなかった。
1日数回のフリーズは当たり前で、「原因不明のエラーが発生しました」なんていうダイヤログメッセージが出てくるのもしょっちゅう・・・突然、画面が真っ青になってメモリーダンプがディスプレイされ、最後に"Please contact your system administrator!" とメッセージが表示され、英語よりも日本語が得意な私でも思わず"WHO?"とリアルツィートしてしまったこともあるぐらいである。

そういった「ダダっ子OS」を必死こいてシコシコと治している時間は、「なんて非効率で無駄な時間を過ごしているんだろう・・・」なんて思っていたのですが、実はその時間が、OSの仕組みや考え方を深く知る機会なっていたんですね。

おかげで、新しいバージョンのWindowsが出ても、まぁ基本的な概念は初期のWindowsからあまり変わっていないということもあり、何が起きてもそれなりに対応が出来るのですが・・・

今使っているMacOSXについては、今自分が使っている分については、非常に安定しており、「しょうがないなぁ〜」と言いながら、OSクラッシュの対応をするなんてことが今のところ全くありません。

おかげで仕事ははかどるのですが・・・自分の仕事の内容も10年前とはずいぶんと変わって、ずいぶんと抽象度の高いレベルの仕事をしているので、それほどOSのメカ的な部分を探求してやろうという気持ちが出てこない。

でも最近、それでいいのかなぁ〜と思っていることもまた事実。

生まれた時からWindowsXPを使っている技術者クンが、トラブルに遭遇すると速攻ググる状況を目の当たりにしながら、「この子達はベース(基本知識)がないんだなぁ〜」と眺めていたが、これをMacOSに置き換えると、今の自分も同じだなぁと改めて感じる。かといって、今安定している環境をぶっ壊してまで研究するのは、時間的・コスト的に合わない。
じゃぁ勉強用にMacMiniでも買って、いろいろと遊んでみますかと言いたいところであるが、この不景気でも全く仕事が途切れる様子のない商売フィーバー状況にあるので、なかなかそういった時間が取れないのも事実。

さてどうしましよう。 

しかし、気がついたからには何かアクションを起こさないと。
ひとまず技術者向けMacOSを解説した専門書を数冊、フォトリーディングするところからはじめてみますか!



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2011年5月2日月曜日

FileMakerGoの日付入力を改善する方法

昨日よりGW恒例の独身生活に入っています。

なぜかGWは毎年忙しい・・・
子供は幼稚園、お休みなのですが、なかなか遊んえあげることもできないので、毎年妻の実家に帰省してもらい、私は独身→仕事集中ということが恒例化してきました。

Fatheringする為に田舎に移住したんじゃないのか!?

・・・っと、ツッコまれそうですが、私は在宅ワーク特権で、普段から子供とは十分に同じ時間・空間を過ごしています。
なので、たまには違う地域で、違う人間と過ごすのも良いという判断ですね。

一回り大きくなった娘と会える9日を楽しみに、オヤジは仕事に励みます!

さて、今日はFileMakerの技術ネタです。

今、FileMakerGoを使った業務システムの開発を行っているのですが、この業務システムで頻繁に出てくるのが日付の入力です。

パソコンであれば、テンキーからバシバシ入力したり、DateTimePickerというOS標準のカレンダーコントロールでサクっと日付の入力が可能なのですが、iOS標準のカレンダーコントロールは、業務システムの日付入力コントロールとしてはかなり貧弱です。



この貧弱な日付入力機能を大幅に強化する方法が、ThemeStudioというFileMakerのテーマライブラリパッケージに同梱されているカレンダーオブジェクト。


このカレンダーオブジェクト、実はたったひとつの計算フィールドだけでこのカレンダーを描画しているというスグレモノです。

この計算フィールドの中に書かれているLet関数を解読・カスタマイズすると、日本語表記にローカライズしたり、条件付き書式を使って土日に色をつけたりなんてことができます。

こちらは私が実際につくっているソリューションでカスタマイズした事例です。
当日から向こう3ヶ月のカレンダーも同時に表示させることで、月の切り替えなどをしなくても良いように工夫しています。


また、iPadで動くソリューションをつくるのであれば、カッコイイ・クールなインタフェースを実装したいですよね?

そういったiPadのGUIに最適化されたクールなテーマも多数同梱されています。
例えばこういったレイアウトのテンプレートが同梱されています。




ThemeStudioは、今のところ私が使っているWindows7/64Bit環境ではうまく動かないようなので、このThemeStudioを本格的に使うようになってからは、MacBookAirが開発のメインマシンになってしまいました。

逆を言うと、メインマシンを変えてまでも使う価値のあるパッケージだと思います。


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2011年4月26日火曜日

FaceBookから初めて仕事関係のコンタクト

本日もすっきりと晴れた長野県飯綱町。

今はスズメやツバメといったおなじみの野鳥たちの巣作りの季節で、うちの玄関先や軒下にもいくつかの鳥の巣が造られ始めました。

移住当初は、ウ◯チの掃除が大変なので、巣を作り始めたら追い払っていたのですが、スズメの数というのが、ここ数年で10分の1程度に減っているという話を聞いてからは、「まぁ掃除ぐらいやりますか・・・」と、放ったらかしていたら、小鳥の楽園のような状態になってしまいました(苦笑)

巣を作り始めたら、その場所に糞受をつけたりすることで、ずいぶんと掃除は楽になります。今のところ鳥インフルエンザの影響も無いようですし、うまく野鳥と共存しているITプロということで、今後も見守っていきたいと思います。

さて、昨日FaceBookを経由して初めて仕事関係のコンタクトが有りました。

ソーシャルメディアからのコンタクトが初めてだったので、「おぉ〜」っと新鮮なきもちでいっぱい(笑)

なぜその方が、名もない私のようなフリーランスに声をかけていただいたかというと、長野県内在住のFileMkaer認定デベロッパーということがポイントであったということ。

私も移住してきて、FileMaker仲間がいないかといろいろ探してみたのですが、長野県内はFileMaker未開の地なのか、FBAの法人はなく、認定デベロッパーさんもネットでは探しきれませんでした。(いないのかな?)

お引き合いの内容というのは、やはりFileMakerの開発者を探しているという件でした。

コンタクトを頂いた方も、FileMakerでカスタムアプリを開発された経験をもたれており、その良さをご実感している様子。

以前はFM-Tokyo(≠ラジオ)にも参加されていたとのこと。

しかし、私も開発パートナーがほしいぐらいたくさん案件を抱えており、これ以上の案件はお受けできない状態。

こういったことをお話している間に、なぜFileMakerの良さが他のプラットフォームで開発している技術者に伝わらないのかという話になりました。

その方も、相当ご自身の知り合いのソフトウェア会社にFileMakerでの開発を進められたらしいのですが、やはり食いつきが悪く、実現にはいたらかなったとうことでした。

やはりIT技術者(自称を含)のFileMakerに対する偏見は大きいのだなぁ〜と改めて認識しました。


私自身もFileMakerを自分でしっかりと勉強する前までは、相当の偏見(FileMaker=おもちゃ)を持っていたので、耳の痛い話ではあるのですが、逆を言うとそういったFileMkaerの良さを知らない人に、その良さを伝えること、そして興味を持ってくれた技術者には、自分がこれまで勉強してきたことを教えるということもできるのではないかと・・・

電話口でお話をしながら、そんなことを考えていました。

そこで、ここから先、なぜFileMakerで作るのか、なぜFileMakerは他の技術者に受け入れられないのか、どういったシステムがFileMkaerに向いているのか、FileMakerの限界はどこにあるのかなどを、このブログで考察していきたいと思います。

その考察の過程で、自分にもできることが何か見つかるかなと・・・
ひとりで仕事をしていると、あまりこう入った部分を深掘りして考えることが少ないので、なかなか良い機会。


っということで、次回からFileMkaerの深掘りシリーズを開始したいと思います。
それではこれから、娘の幼稚園の送迎に行ってきます!

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2011年4月20日水曜日

フリーランサーのセルフブランディング その2

おはようございます。

昨日、今日と毎週恒例になりつつある東京出張で、このブログの原稿が新幹線の中で書いています。

新幹線の中というのは、意外とクリエイティブな仕事をするのに向いている空間で、私はよくFreeMindを使って、会議のシナリオを作ったり、システムの基本設計をしたりしています。

自分がどういった作業をするときに、どのような空間で仕事をするのが生産性が上がるかを知っておくと、仕事が煮詰まった時に、それを脱却するのにすごく役に立ちます。

作業内容と気分によって、自由に作業場所を変えることができる・・・
これもノマド・フリーランスの良さのひとつですね。

さて、本日は昨日からの続き、佐々木俊尚さんの『ネットがあれば履歴書はいらない(以下、同書)』を読んで考察したことを書きたいと思います。

昨日は、「なぜフリーランサーはセルフブランディングが必要なのか?」について考察し、その理由付けとして「フリーランサーは営業に費やす時間が無いので、仕事が向こうから勝手にやって来る仕組みをつくることが望ましい」と結論づけました。

今回は、その「仕事が向こうからやってくる状況を如何につくるか?」という、より具体的なことに対して、同書で述べられている主張、方法論を交えて考察していきたいと思います。

最初に、相変わらず自分の考察の過程を徒然なるままに書いているので、お時間のない方は、最後に書いているまとめを読んでいただき、ご興味があれば全文を読まれることをおすすめいたします・・・

さて、まず具体的なテクニック論に入るまでに、フリーランサーのビジネス界における立ち位置を明確にしたいと思います。

その理由は、ネットを使ったブランディング手段・方法論というのは様々であり、その中には、大企業向けのものから個人向けのものまで各種存在すること、そしてその存在するツールを適切な物にしない限り、期待する効果は得られないのではという考えを持っているからです。

セルフブランディングをやりたいにもかかわらず、その方法論に大企業がやっているようなブランディング手法を取り入れることは、サイズの合わない服をあてがうようなもので、期待する効果を出すことは難しくなるでしょう。

なので、まずフリーランサーに最適なブランディングの方法論(武器)とはどういったものなのかについて考察してきたいと思います。

フリーランサーは、ビジネスの世界では極めて弱い存在です。
ランチェスター経営の竹田陽一先生によると、多くの中小企業、つまり弱者が大企業の真似事、つまり強者の戦略を採用した結果、苦境にあえぐケースが後を絶たないとおっしゃられています。

戦略、つまり市場における戦い方というのは、「強者の戦略」と「弱者の戦略」があり、それぞれに正しい戦略を採用しないと、とんでもない結果になってしまうということです。

フリーランサーは間違いなく弱者の存在。
なので、この弱者の戦略にあったブランディングを行うことが肝要であることが導きだされます。

では弱者の戦略とはなんでしょうか?
ランチェスター戦略における弱者の戦略において、特にセルフブランディングに必要な要素は次の3つに集約できると思います。

1:接近戦で戦う
2:一点集中主義に徹する
3:局地戦で戦う

なんだかゲリラチックでいいですね(笑)

こういった弱者が採用すべき戦略が見えてくると、ネットを使ったセルフブランディングもどのように行えばいいかが少しづつみえてくると思います。

まず、弱者はニッチで特異セグメントにいる客さんを相手にするほうが有利であり、何でも屋よりも「専門家」のほうが有利であり、広域の顧客を相手にするよりも、特定の地域や業界を相手にするほうが有利であることがわかります。

そうすると、まず自分の専門分野、つまり「私は何が出来るのか?」を、できるだけ詳細に分かりやすくネット上に公開することが必要になってくることがわかります。

また、ブランド=信頼と捉えると、やはり実績が一番の基板になりますので、これまで仕事で上げた実績についても、できるだけ詳細に公開することが求められるでしょう。そして信頼を得るもう一つのステップが、自分が継続的にスキルアップの為に勉強していること、自己研磨していることを公開するということも重要だと思います。

こういった詳細なプロフィールを公開することで、自分の強み・専門性・実績を公にすることがまず第一歩になります。
佐々木俊尚さんは、著書のなかで「自ら情報を公開することで、ブランドは築かれる。」そして、「情報発信を恐れてはいけない」と、同書の中で述べられています。

次に、公開したプロフィールを見込客、もしくは既存客に知ってもらう必要があります。
ちなみにフリーランスは見込客以上に、既存客に知ってもらう必要があると思っています。
その理由については、後ほど書きます。

このプロフィール拡散ツールとして、Webは極めて有効なツールなのではあり、その拡散装置となるツールがTwitter、FaceBook、そしてBlogになります。

これはら、すべて無料で始められることと、特にTwitterについては、次に述べる「エゴサーチ」の必須SEOツールとなるので、「弱者」のフリーランサーには極めて重要な装置になります。

それではまず、「エゴサーチ」そして「指名検索vs比較検索」の説明をしやすくするために、FaceBookから先に掘り下げていきたいと思います。
このFaceBookも弱者の戦略にはかかせない、これはネット上における接近戦用の武器になります。

一般的なWebページをネットの世界に公開するとなると、そこは強者・弱者がひしめき合うレッドオーシャン。
巨額のSEO/SEM対策費を投入している企業(強者)と戦う事になります。
これは弱者の代表格であるフリーランサーは極めて不利です。

しかしFaceBookであれば、まず「比較検索」をされることはありません。
必ず「名前(指名)」が先にきて、その後にそのひとのプロフィール(専門性)という順番で、アピールしたい情報(プロフィール)にアクセスされます。

例えば私のケースですと、比較検索というのは「フリー ITコンサルタント」や「FileMaker 長野」などといったキーワードをGoogleやYahooで検索されること。
これを比較検索といいます。

逆に指名検索というのは、そのものズバリを検索する。
例えば私のケースだと、Google検索で「岩佐和紀」と検索される。
この個人名を検索エンジンで検索することを「エゴサーチ」と言うそうです。
これは、同書を読むことで初めて知ったバズワード(?)になります。

さて、この「比較検索」と「指名検索」が、弱者にとって大きな差があるかは想像にたやすいでしょう。
比較検索を前提にしたブランディングというのは、広域戦であり、これは強者の戦略です。

比較検索を前提とするWebブランディングだと、他社と比較され、選択されることが重要となってきます。
よって、「他社のサイトと比較して」洗練されたデザインも必要でしょうし、何よりもSEO/SEM対策に神経を尖らせる必要があります。
その対策には、巨額の費用と労力が必要であり、弱者のフリーランサーが採用すべきでないことは明らかです。

しかし、指名検索を前提とするWebブランディングの戦術であればSEO対策は極めて簡単になります。

例えば私の例を見てみます。
私の名前をGoogle検索すると、まずTwitterのページが最上位に検索されてきます。
※ちなみに私と同姓・同名のプロボクサーがいるのですが、その方よりも上位に検索されるようです(笑)

このようにTwitterに「実名」を公開して、定期的につぶやくことによって勝手にSEO対策がなされます。
Twitterは指名検索に極めて最適なSEO対策ツールであり、また「弱者の戦略」を遂行する上でのアーミーナイフのような存在といえます。

但し、指名検索をしてもらうには、まず名前を覚えてもらわないといけないわけですが、ネームバリューのない私のようなフリーランサーは、自分の名前を覚えていただく機会が極めて乏しい。

っということで、自分の名前を覚えてもらうのにTwitterをつかうのは有効な手段ではないかと思うのです。

リアルの世界における信頼関係に置き換えて考えてみましょう。
人と人とが知り合い、打ち解けあうプロセスは、いきなり全ての情報をさらけ出すのではなく、当たり障りの無い、一般的な情報交換から、徐々に核心となる情報の交換に移っていくはずです。

こうやって、お互いが一歩踏み込む障壁を少しづつ下げてゆき、適切な距離を図りながら信頼関係というのは築かれていきます。

この徐々に情報を出すツールとしてTwitterは最適なツールになります。
そもそもTwitterが一度に140文字しか投稿できない制限があるので、まとまった情報を出すことは不可能ですし、Twitterのプロフィール欄もわずか160文字。極めて限られた情報しか発信することが出来ません。

ただ、限られた情報だからこそ、多くの人に自分という存在をカジュアルに知ってもらうきっかけにもなります。
重要なのは、Twitterを通じて自分に興味を持ってくれた人に、より自分の専門性・強みを知ってもらう導線をつくっておくこと。

これがBlogでありFaceBookになるわけです。

①Twitterで人の役に立つ情報をつぶやく。
②興味を持ってくれるひとが、Twitterのプロフィール欄を見る。
③簡単なプロフィールを見てもらう。(※実名を載せておく)
④より詳しく知りたいという人のためのプロフィールサイト(Blog/FaceBook)を用意しておく。
⑤自分に興味を持ってくれた人と、インタラクティブに情報交換ができる手段を用意しておく。

おおよそ、このような導線が出来上がります。

そして、③のプロフィール欄には、先にも述べたとおり実名を載せておくことが重要です。
それは、ズバリ自分の名前をエゴサーチしてもらうことが目的です。

フリーランサー、つまり弱者のwebを使ったブランディングは、如何に「エゴサーチ」の対象になるか、そしてエゴサーチで検索された結果が、自分を必要としてくれる人にとって、有用な情報が上位に検索されてくるかが重要になります。

このエゴサーチの入り口がTwitterとなるわけです。
このTwitterをエゴサーチの入り口にするという戦術は、佐々木俊尚さんの「ネットがあれば履歴書はいらない」で語られています。
個人的に、この部分は同書におけるTwitter利用の「キモ」になる部分だと認識しています。

そして最後のブログ。
私もFaceBookとTwitterのブランディングにおける活用方法については、すぐに理解できたのですが、Blogについてはどうしても「旧来のモノ」という印象が拭えず、どう活用するのが最も効率的なのか、捉えきれずにいました。

佐々木俊尚さんは、同書の最後で「ブログは講演会場、Twitterは立食パーティー」と表現されていました。
なるほど、そういう捉え方かとまさに目からウロコでした。

そうすると、Blogは「もし自分の専門性や成果を講演会で発表するとしたら、どう行った情報を発信できるか?」という表現の場、成果発表の場ということになります。
こういう役割が設定できると、その活用方法も明確になってくるのではないでしょうか?

また、導線の終着点がブログとなると、その入口に当たるTwitterでどういった内容をつぶやくのが有効なのかも必然的に見えてくるわけですね。

こうやって、一連のツールが有機的に組み合わさることによって、フリーランサーが構築すべき「仕事が向こうからやってくる」仕組みの土台が出来上がるわけです。

もちろん、実力のないフリーランサーは、ブランディングよりも先に実績をつくるなり腕を磨くなりして、「使える人」になることが先になりますからね(笑)

同書には、セルフブランディングを意識する上で、Twitterでつぶやく内容や、カジュアルツイートとフォーマルツイートのブレンド具合に関するサジ加減の"黄金率"にも触れられています。

また、Twitterだけではなく、FaceBook/Blogの活用方法、それにSBIビジネス等のWebサービスについてもしっかりと押さえられています。

ベビーユーザや専門家にとっては、もしかしたら物足りない内容かもしれませんが、各ツール同士の役割・位置づけ・連携方法がうまくまとめられた、「弱者のWebブランディング入門書」としては、極めて優れた書籍だと思います。

さて、今回も相変わらずの長文になってしまいましたが、まとめに入りましょう。

【まとめ】

1.フリーランサーはビジネス界の弱者であり、ブランディングにも弱者の戦略が必要。
2.弱者の戦略は接近戦、局地戦、集中突破戦略に集約される。
3.フリーランサーがネットでブランディングするには、これらの戦略を最も忠実に実行できるエゴサーチ誘導を最重要視すべき。
4.エゴサーチの入り口はTwitter。自分の専門性・強みをカジュアルにつぶやく。
5.Twitterを入り口として、自分の専門性をアピールできる仕組みを用意しておく。それがFaceBookであり、Blogである。
6.ブログは講演会場、Twitterは立食パーティと意識。発信する内容にフォーマルとカジュアルの色付けをして、メリハリを付けることが重要。

こんな感じのまとめです。

これを受けて、私のFaceBookやTwitter、Blogで発信する内容も、もう少し絞り込む必要がありそうですね。

さらにブログの書き方、相変わらず文章が長い。
もしかしたら、これが最も反省すべき点かもしれません・・・

また、その前に、自分の専門性、強み、そしてユニークな部分をより明確にすることが、その先のブランディング術を一貫したものにするためにも必要です。

個人的に考察した結果を羅列しただけの、長い長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

こちらに出した情報が、あなたのお役に立てれば幸いです。

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株式会社ライジングサン・システムコンサルティング 
岩佐和紀 
URL : http://www.risingsun-system.biz/ 
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 FileMaker認定デベロッパーVer10/11

2011年4月18日月曜日

フリーランサーのセルフブランディング -その1-

ここ数日、暖かい日が続いていますね。

こちら、長野県飯綱町の自宅でも、ようやく梅の花が3分咲きといったところです。




さて、今日は佐々木俊尚さんのご著書「ネットがあれば履歴書はいらない」の読了を経て、考察したことを書きたいと思います。


この著書のサブタイトルは「ウェブ時代のセルフブランディング術」とあります。


この本を手にとったきっかけは、今回の震災をきっかけに今一度、社会における自分の存在意義というものを、しっかりと考え直すタイミングにきていると感じたからです。

あの震災後、いちフリーランスのSEとして、自分はいったい何が出来るのだろう・・・
ずっと考えてきました。

この難解な問いに対して、一筋の光明が見えたのが、先日ブログでかいた「全脳思考を仕事の現場で使ってみた」の中に隠れてることに気が付きました。


その見えた光を言語化するのは、まだ少し難しい(早い)段階だと思いますので、あえてここでは書かないことにしますが、そういった内省的な変化を受けて、今一度、自分の立ち位置というのを明確にしておこうと思ったわけです。

さて、私のようなフリーランサーは、ブランドの象徴でもある「企業の看板」というモノがありません。

私は過去に、BMWやDOLCE&GABBANAなど、世界にも通用する「ブランド」のある会社で働いていたこともあり、「ブランド」がもつ圧倒的なパワーというものを、身を持って体感した経験を持っています。

そういった経験からも、高品質な仕事を安定的に獲得するには、自分そのものを「ブランド化」することは極めて重要であると、本書を読んで改めて認識した次第です。


では、まず本書を読み進めていくにあたって設定した「セントラルクエスチョン」についての考察です。

ちょっと脱線しますが、本を読むときには、必ずセントラルクエスチョンを定義しておくと読みっぱなしにならずに質の高い読書ができます。本の読み方について勉強されたい方は読書術の古典である「本を読む本」を読まれるとよろしいかと思います。

私が、本書を読む上での通貫した問は、なぜフリーランサーに「セルフブランディング」が必要なのか?

この問が、本書を読み進めるにあたってのセントラルクエスチョンになります。

・・・っといことで、まずはこのセントラルクエスチョンを設定した背景について考察していきましょう。

突然ですが、フリーランサーは「営業」ができません。

できないと言い切ると、「そんなことないでしょ?」と思われるかもしれませんが、私はあえて営業はできないと考えるようにしています。

理由は2つ有ります。

ひとつは、フリーランサーのビジネスというのは、営業のような直接対価を産まない稼働時間を潤沢に取れないという理由。

そして、もう一つは、「営業をしなければお客を取れないようなフリーランサーは企業と対等な契約が結べない」という理由からです。

まず前者から考察していきましょう。

営業というのは、ファーストコンタクトから実際の契約にいたるまでに、それなりの稼働時間を要します。そしてこの契約までに至る時間は、基本的に対価を求めることができません。せいぜい、それまでに稼動した時間を契約金の中に「まぶし込む」のが関の山です。

この対価を産まない稼働時間が長い「営業」というプロセスは、キャッシュフローの小さいフリーランサーには死活問題になります。

このリスクヘッジとして、その営業そのものを、フリーランスと企業を仲介するエージェントさんに任せるという手もあるのですが、これはまた別の弊害を生むことになります。

その弊害が後者の契約に関することになります。
弊害とは、エージェントが取ってくる仕事の質です。

エージェントが取ってくる仕事というのは、基本的に大手の下請けのような仕事がメインです。
とてもフリーランサーと企業側が対等な契約が結べるような条件での仕事はありません。

私もこの業界でたくさんのフリーランスSEを見てきましたが、企業と対等のレベルで契約をして仕事をされている方は極めて少数で、ほとんどのフリーランサーは下請けレベルの仕事に甘んじているのが現状です。

ちなみに、下請けの仕事が悪いというわけではありません。

ただ、下請けというのは基本的に「使い捨てられる」運命にあります。
ただでさえ営業活動の厳しいフリーランサーが、「切り捨て前提の仕事」をメインにするとなると、常に新規のお客さんを探さなければなりません。

安定的に高品質な仕事をするのが極めて厳しくなります。

また、企業と対等に契約できないとなると、本来言うべき意見を言えなかったり、このままでは失敗すると分かっている仕事でも、指を加えて見過ごすような事になることもしばしばです。

こういった弊害があるので、本質的にフリーランサーは営業活動ができないというのが、私の認識であり、だからこそフリーランサーはセルフブランディングというものを意識しなければならないという結論に達するわけです。

それでは、「ブランド」とは一体なんなのでしょうか?

ブランドを一言で表すと、それは「信頼」ではないかと思います。
もちろん、見栄えのよいロゴマークや、洗練されたキャッチコピーなども重要だと思いますが、それはあくまでも表面的な部分であり、ブランドの本質はやはり「信頼」だと思うのです。

ブランド=信頼と定義すると、セルフブランディングとは、「その個人が社会的な信頼を得るためのすべての活動」と定義することができそうです。

このセルフブランディングを、意識的・無意識的に関わらず、実行されていて、それがうまく機能している方達というのは実際にいます。

そして、そういったセフルブランディングがうまく出来ている人を観察していると、営業などしなくても仕事は向こうからやってくることに気が付きます。


  • あの人に任せておけば大丈夫。
  • あの人に任せておけばうまくやってくれる。
  • あの人と一緒に仕事をすると成長できる。
  • あの人と一緒に仕事をすると楽しい。


→だから、今回の件もあの人に任せよう!

こういった状況は、全て「信頼(=ブランド)」が生み出した結果だと思います。
そして、こういった「仕事が向こうからやってくる状態」を、フリーランサーこそつくっておかなければならない。

なぜなら、企業の看板もなければ、自分を売り込む営業活動もできないのだから・・・

こういった結論に達するわけです。
これが、なぜフリーランサーに「セルフブランディング」が必要なのか?の背景になります。

それでは、具体的にどうセフルブランディングをしてくのか?

次回は、佐々木俊尚さんが本書に書かれていた方法論に触れながら、それについて書きたいと思います。

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2011年4月14日木曜日

全脳思考を仕事の現場で使ってみた。

一昨日、昨日と毎週恒例になりつつある東京出張に出かけてきました。

一昨日は、地震の当たり日・・・

自宅から最寄りの牟礼駅から一駅目の豊野駅に停車中、電車内で一斉に緊急地震速報のアラームが!
その後、かなり強い揺れを感じました。

もう帰ろうかなぁ・・・ っと心が折れそうになりながらも、10分程度の遅れで長野駅へ。
そこから新幹線に乗り込んで、いざ東京に向けて出発。

またもやひと駅目の上田駅直前で地震発生!!
新幹線は緊急停車し、停電のためか社内の照明と空調が全て切れた状態になりました。

幸いにして10分程度の緊急停車で電源が復旧し、新幹線も無事に走り始めたのですが、ああいった非日常空間で地震にあうと、いろんなコトを考えてしまいます。

ただ、そんな不安になっている私を横目に、ワゴン・車内販売のお姉さんは、緊急停車中にも「コーヒーいかがですかァ~」っと普通に業務を遂行されていた(笑)

すごいプロ根性を見せていただきました。

さて、前置きが長くなってしまいました。
本題に入ります。

昨日、コンサルティングの現場で、はじめて神田昌典さんの「全脳思考」メソッドを使ったファシリテーションを行いました。

全脳思考とは、脳の右側と左側それぞれが持つ特性を、バランスよく使い、問題解決の為のブレイクスルーを打ち出すためのメソッド。

詳しくは、神田昌典先生の『全脳思考』をお読みください。


個人的に、「脳の右側と左側をバランスよく使う」に関しては、数年前に「スリーインワン・コンセプツ」という、ストレスマネジメントメソッドを知り、それを勉強・実践したことをきっかけに、その効果を十分に認識していました。

スリーインワン・コンセプツ:http://www.3in1concepts.ne.jp/about/index.html
スリーインワンの私の師匠:http://homepage2.nifty.com/f-style/

しかし、脳の右側の強み、つまりイメージであったり抽象的な情報処理に関しては、なかなかビジネスの現場に持ち込むのが難しい・・・

例えば、スリーインワンでは、自分の「信じこみ」、例えば「自分は◯◯な人間だ」や「世の中なんて◯◯だ」といった、潜在的な「信じこみ」を解放し、無意識に踏んでいた心のブレーキを外すために、たくさんのイメージワークをします。

イメージワークも多くの手法がありますが、基本的には腹式呼吸を用いて、脳波を緊張状態のベータ波から、リラックス状態のアルファ波に誘導します。

その後、イメージ誘導(≒催眠誘導)等の手法を使って、頭に浮かんできた言葉やイメージを使って、問題を特定したり、問題そのものをイメージの世界で打ち消す(燃やす・壊す・捨てる等)といったことを行います。

この全脳思考にも、こういったイメージの力を使って問題の特定や、問題解決法の模索を行うステップが組み込まれています。

こういった「あまり学校では習わない」「一般的ではない」「ややオカルトチックな」手法を、ビジネスの現場で使うのは、相当のリスクと覚悟が必要になります。

一歩間違うと「怪しい人」というレッテルをはられてしまい、やもすると仕事を失ってしまう可能性すらあります。

こういった恐怖もあり、右脳領域を使った問題解決の効果については、スリーインワンの勉強と実践を通して、個人的にはすごい効果があることを実感していたのですが、それをビジネスの現場に持ち込むことは、この数年、なかなか出来ていませんでした。

しかし昨日、クライアントさんからのたっての希望で、全脳思考メソッドを使って、問題解決の糸口を見つけ出すためのファシリテーションをさせていただきました。

その内容についてはもちろん守秘義務があるので書くことはできませんが、ミーティングの最後には、参加者が皆、目に涙がうっすらと滲み出るほど、深い部分で「つながった」ような一体感が出き、ミーティング開始前には重苦しい雰囲気だったミーティングルームもすっかり明るく、意欲に満ちた空気に変化していました。

私自身、正直、これほどまでの効果が出るとは、思っておりませんでした。
そして、ビジネスの現場も、これから先、大きく変わっていくと確信をもって感じました。

数年前であれば、こういったコンサルティングの現場でイメージ誘導をするなんて考えられませんでした。
それが、昨日の出来事で、ある意味この先の「成功するビジネスの方向性」までが見えた、そんな感覚を覚えました。

この成功を経て、私は少しづつ、自分がスリーインワンで勉強したいくつかのメソッドも、ビジネスの現場で使っていきたいと考えています。

どの部分を、どういったシーンで使うか・・・
改めてスリーインワンの勉強をし直したくなってきました。

しかし、なんだか「こういった時代が来たんだなぁ~」と不思議な感覚です。


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