去年の根子岳登山で、ウチの娘はベソかき・ケツ持ち部隊で、最後はオンブしながらの下山だったのですが、今年は出発前からガンガンに気合いが入っており、出発時には初代隊長に任命されました。
その隊長任命でさらに気合いが入ったのか、出発直後から隊列の先頭をビシビシ登っていきます。
去年までの弱々しさはまったく無く、気合いの入った表情で隊列を引っ張っていく4歳の娘には感動すら覚えました。
7時に登山口を出発して、数回の休憩を挟み、11時30分には山頂に。
そこには北アルプスまで見渡せる素晴らしい景色が待ち受けていました。
我が家は山頂で、炭焼きのスペアリブを楽しみ、手作りのメダル授与式などのセレモニーを経て13時30分ごろ下山開始。
予定通り、15時には無事登山口に到着しました。
驚愕したのはその後。
登山口に到着後、ほかの家族の到着を待っている間に、友達と走り回っていました。
子どもの成長というのは本当に素晴らしい。
子どもにゴチャゴチャと小言を言う前に、親自身も、もっともっと成長しなければということを痛感した一日でした。
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さて、本日は情報システム戦略に関する情報の粒度について書きたいと思います。
情報システム戦略を文書化するときに、どういった情報の粒度(抽象レベル)で書いてよいのか迷うことはありませんか?
何を書かなければならないのかを迷うのはもちろんのこと、どの粒度で情報を書けばよいのかがよく解からない方というのは、意外に多いのではないかと思います。
情報システム戦略を文書化する上での粒度を知るためには、まず戦略と戦術の違いについて知っておくことが重要だと思います。
戦略と戦術の違いは、その語源をたどるとわかりやすい。
戦略とは、その語源がラテン語の「ストラテジア」にあり、英語の「ストラテジー」の語源になっています。
1864年に山口県の大村益次郎がこの「ストラテジア」を「将帥の術」と翻訳し、「見えざるもの」との解説を加えました。
そして、明治のはじめヨーロッパで兵学の研究をしていた軍人が、これを「戦略」と翻訳し直しました。
次に戦術ですが、これはその語源がラテン語の「タクティコース」にあり、英語の「タクティクス」の語源になっています。
これも同じく大村益次郎が「兵士の術」と翻訳し、「見えるものと」と解説しました。そして、兵学を研究していた軍人が「戦術」と訳したといわれています。
つまりシンプルに解釈すると
「戦略は大将の術であり見えざるもの」
「戦術は兵士の術であり見えるもの」
といえます。
これが戦略と戦術の基本的な違いになります。
では次に、これを「情報システム戦略」に当てはめてみましょう。
まず、情報システムそのものが「見えざるもの」的な部分が大きいので、混乱してしまいがちですが、私はこれを解かりやすく解釈するために、オブジェクト指向の考え方を取り入れています。
そしてオブジェクト指向の考え方をどう取り入れているかについてですが、私は、戦略=クラス、戦術=オブジェクト(インスタンス)という階層構造で捉えています。
こう捕らえると、「戦略」は、その下位概念である「戦術」に一定の規則性・法則性を持たせるものともいえますね。
いくら屈強な兵士をたくさん揃えたとしても、その兵士が適材適所で配置され、タイムリーにそのタスクを遂行できる状態でなければ、その能力は十分に発揮することができません。
情報システム戦略も同じで、いくら優れいたインフラ・プロダクト・ソリューション、そして人材を揃えたとしても、それが適切に機能する状態でなければ、ガラクタ以外の何物でもなくなります。
適切な兵士の配置には、一定の規則性・法則性を見出して、それらが適切に機能するように再拝する必要があります。
オブジェクト指向では、下位概念のクラスやオブジェクトの規則性・法則性をまとめた抽象概念をクラスと表現しますが、戦略と戦術の関係はまさにこの階層構造に当てはめることができる関係性を持っています。
そこで本題の情報システム分野における戦略と戦術ですが、これはズバリ具体的な製品・プロダクト・ソリューション等、固有名詞が明確なものに関しては戦術レベルの記述であり、それらの上位概念で記述されているものは戦略レベルの記述であると考えます。
つまり情報システム戦略を文書化したものに、具体的なプロダクト名やベンダー名等が記述されているものに関しては、情報システム戦略を表現する文書として具体的過ぎる、抽象度が低すぎるということです。
これは、「木を見て森を見ず」状態の戦略構築の危険性があります。
情報システム戦略の文書化における情報の粒度に関する留意点としては、その情報粒度がクラスレベル、つまりその下位概念に別のクラスやインスタンスが存在するかどうかを意識して文書化することが望まれます。
例えば、情報システム戦略を記述する上で、RDBMSやデータベースという単語ははクラスレベルの記述となるでしょう。
なぜなら、その下位概念には、MS-SQLServerやOracle、FileMakerProといった下位概念のクラス(インスタンス)が存在するからです。
また、SFAやCRMという記述も抽象的だといえます。これに具体的なSalesForce等といったプロダクト名・製品名が入るのは戦術レベルの情報粒度といえます。
もちろん、これだけが戦略と戦術を分ける決定的な要素ではなく、今回はあくまでも情報システム戦略を文書化する局面における情報の粒度にフォーカスして書いているので、ご了承ください。
今回は、情報システム戦略を文書化する局面にあたっての情報粒度について書いてみました。
これはあくまでも私個人が勉強して、ビジネスの現場で「使っている」考え方でありテクニックです。
世の中には、MBA的なアカデミックな解説・解釈はいくらでもあると思いますし、Google検索するとそういった解説は山のように出てくると思います。
ただ、私の実力や知識が伴わないせいか、こういった解説を読んでも、いざ具体的に文書化するとなると、とたんにペンが進まなくなる。(キーボード入力ですけど・・・)
こういった局面に陥ってだいたい次にやることが、どこかの会社の事例を探したり、テンプレートを探したりというのが多くの人の行動パターンだと思います。
十分な時間を与えられず、形ばかりのアウトプットばかりを要求される現代においては、それも仕方が無いと思う反面、やはりその本質だけはしっかりと理解しておくことは極めて重要なことだと思います。
また注意事項として、ここに書いてあることが「ITストラテジスト」等の「知識」を問う試験対策にはお役立ていただけません(笑)
試験対策には、上記に書いたようなアカデミックな知識を身につける必要があります。
次回は、戦略を構築する上で重要な「予見力」について書いてみたいと思います。
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株式会社ライジングサン・システムコンサルティング
岩佐和紀
URL : http://www.risingsun-system.biz/
認定資格 :
上級システムアドミニストレータ
FileMaker認定デベロッパーVer10/11