2011年4月26日火曜日

FaceBookから初めて仕事関係のコンタクト

本日もすっきりと晴れた長野県飯綱町。

今はスズメやツバメといったおなじみの野鳥たちの巣作りの季節で、うちの玄関先や軒下にもいくつかの鳥の巣が造られ始めました。

移住当初は、ウ◯チの掃除が大変なので、巣を作り始めたら追い払っていたのですが、スズメの数というのが、ここ数年で10分の1程度に減っているという話を聞いてからは、「まぁ掃除ぐらいやりますか・・・」と、放ったらかしていたら、小鳥の楽園のような状態になってしまいました(苦笑)

巣を作り始めたら、その場所に糞受をつけたりすることで、ずいぶんと掃除は楽になります。今のところ鳥インフルエンザの影響も無いようですし、うまく野鳥と共存しているITプロということで、今後も見守っていきたいと思います。

さて、昨日FaceBookを経由して初めて仕事関係のコンタクトが有りました。

ソーシャルメディアからのコンタクトが初めてだったので、「おぉ〜」っと新鮮なきもちでいっぱい(笑)

なぜその方が、名もない私のようなフリーランスに声をかけていただいたかというと、長野県内在住のFileMkaer認定デベロッパーということがポイントであったということ。

私も移住してきて、FileMaker仲間がいないかといろいろ探してみたのですが、長野県内はFileMaker未開の地なのか、FBAの法人はなく、認定デベロッパーさんもネットでは探しきれませんでした。(いないのかな?)

お引き合いの内容というのは、やはりFileMakerの開発者を探しているという件でした。

コンタクトを頂いた方も、FileMakerでカスタムアプリを開発された経験をもたれており、その良さをご実感している様子。

以前はFM-Tokyo(≠ラジオ)にも参加されていたとのこと。

しかし、私も開発パートナーがほしいぐらいたくさん案件を抱えており、これ以上の案件はお受けできない状態。

こういったことをお話している間に、なぜFileMakerの良さが他のプラットフォームで開発している技術者に伝わらないのかという話になりました。

その方も、相当ご自身の知り合いのソフトウェア会社にFileMakerでの開発を進められたらしいのですが、やはり食いつきが悪く、実現にはいたらかなったとうことでした。

やはりIT技術者(自称を含)のFileMakerに対する偏見は大きいのだなぁ〜と改めて認識しました。


私自身もFileMakerを自分でしっかりと勉強する前までは、相当の偏見(FileMaker=おもちゃ)を持っていたので、耳の痛い話ではあるのですが、逆を言うとそういったFileMkaerの良さを知らない人に、その良さを伝えること、そして興味を持ってくれた技術者には、自分がこれまで勉強してきたことを教えるということもできるのではないかと・・・

電話口でお話をしながら、そんなことを考えていました。

そこで、ここから先、なぜFileMakerで作るのか、なぜFileMakerは他の技術者に受け入れられないのか、どういったシステムがFileMkaerに向いているのか、FileMakerの限界はどこにあるのかなどを、このブログで考察していきたいと思います。

その考察の過程で、自分にもできることが何か見つかるかなと・・・
ひとりで仕事をしていると、あまりこう入った部分を深掘りして考えることが少ないので、なかなか良い機会。


っということで、次回からFileMkaerの深掘りシリーズを開始したいと思います。
それではこれから、娘の幼稚園の送迎に行ってきます!

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株式会社ライジングサン・システムコンサルティング
岩佐和紀
URL : http://www.risingsun-system.biz/
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 上級システムアドミニストレータ
 FileMaker認定デベロッパーVer10/11

2011年4月20日水曜日

フリーランサーのセルフブランディング その2

おはようございます。

昨日、今日と毎週恒例になりつつある東京出張で、このブログの原稿が新幹線の中で書いています。

新幹線の中というのは、意外とクリエイティブな仕事をするのに向いている空間で、私はよくFreeMindを使って、会議のシナリオを作ったり、システムの基本設計をしたりしています。

自分がどういった作業をするときに、どのような空間で仕事をするのが生産性が上がるかを知っておくと、仕事が煮詰まった時に、それを脱却するのにすごく役に立ちます。

作業内容と気分によって、自由に作業場所を変えることができる・・・
これもノマド・フリーランスの良さのひとつですね。

さて、本日は昨日からの続き、佐々木俊尚さんの『ネットがあれば履歴書はいらない(以下、同書)』を読んで考察したことを書きたいと思います。

昨日は、「なぜフリーランサーはセルフブランディングが必要なのか?」について考察し、その理由付けとして「フリーランサーは営業に費やす時間が無いので、仕事が向こうから勝手にやって来る仕組みをつくることが望ましい」と結論づけました。

今回は、その「仕事が向こうからやってくる状況を如何につくるか?」という、より具体的なことに対して、同書で述べられている主張、方法論を交えて考察していきたいと思います。

最初に、相変わらず自分の考察の過程を徒然なるままに書いているので、お時間のない方は、最後に書いているまとめを読んでいただき、ご興味があれば全文を読まれることをおすすめいたします・・・

さて、まず具体的なテクニック論に入るまでに、フリーランサーのビジネス界における立ち位置を明確にしたいと思います。

その理由は、ネットを使ったブランディング手段・方法論というのは様々であり、その中には、大企業向けのものから個人向けのものまで各種存在すること、そしてその存在するツールを適切な物にしない限り、期待する効果は得られないのではという考えを持っているからです。

セルフブランディングをやりたいにもかかわらず、その方法論に大企業がやっているようなブランディング手法を取り入れることは、サイズの合わない服をあてがうようなもので、期待する効果を出すことは難しくなるでしょう。

なので、まずフリーランサーに最適なブランディングの方法論(武器)とはどういったものなのかについて考察してきたいと思います。

フリーランサーは、ビジネスの世界では極めて弱い存在です。
ランチェスター経営の竹田陽一先生によると、多くの中小企業、つまり弱者が大企業の真似事、つまり強者の戦略を採用した結果、苦境にあえぐケースが後を絶たないとおっしゃられています。

戦略、つまり市場における戦い方というのは、「強者の戦略」と「弱者の戦略」があり、それぞれに正しい戦略を採用しないと、とんでもない結果になってしまうということです。

フリーランサーは間違いなく弱者の存在。
なので、この弱者の戦略にあったブランディングを行うことが肝要であることが導きだされます。

では弱者の戦略とはなんでしょうか?
ランチェスター戦略における弱者の戦略において、特にセルフブランディングに必要な要素は次の3つに集約できると思います。

1:接近戦で戦う
2:一点集中主義に徹する
3:局地戦で戦う

なんだかゲリラチックでいいですね(笑)

こういった弱者が採用すべき戦略が見えてくると、ネットを使ったセルフブランディングもどのように行えばいいかが少しづつみえてくると思います。

まず、弱者はニッチで特異セグメントにいる客さんを相手にするほうが有利であり、何でも屋よりも「専門家」のほうが有利であり、広域の顧客を相手にするよりも、特定の地域や業界を相手にするほうが有利であることがわかります。

そうすると、まず自分の専門分野、つまり「私は何が出来るのか?」を、できるだけ詳細に分かりやすくネット上に公開することが必要になってくることがわかります。

また、ブランド=信頼と捉えると、やはり実績が一番の基板になりますので、これまで仕事で上げた実績についても、できるだけ詳細に公開することが求められるでしょう。そして信頼を得るもう一つのステップが、自分が継続的にスキルアップの為に勉強していること、自己研磨していることを公開するということも重要だと思います。

こういった詳細なプロフィールを公開することで、自分の強み・専門性・実績を公にすることがまず第一歩になります。
佐々木俊尚さんは、著書のなかで「自ら情報を公開することで、ブランドは築かれる。」そして、「情報発信を恐れてはいけない」と、同書の中で述べられています。

次に、公開したプロフィールを見込客、もしくは既存客に知ってもらう必要があります。
ちなみにフリーランスは見込客以上に、既存客に知ってもらう必要があると思っています。
その理由については、後ほど書きます。

このプロフィール拡散ツールとして、Webは極めて有効なツールなのではあり、その拡散装置となるツールがTwitter、FaceBook、そしてBlogになります。

これはら、すべて無料で始められることと、特にTwitterについては、次に述べる「エゴサーチ」の必須SEOツールとなるので、「弱者」のフリーランサーには極めて重要な装置になります。

それではまず、「エゴサーチ」そして「指名検索vs比較検索」の説明をしやすくするために、FaceBookから先に掘り下げていきたいと思います。
このFaceBookも弱者の戦略にはかかせない、これはネット上における接近戦用の武器になります。

一般的なWebページをネットの世界に公開するとなると、そこは強者・弱者がひしめき合うレッドオーシャン。
巨額のSEO/SEM対策費を投入している企業(強者)と戦う事になります。
これは弱者の代表格であるフリーランサーは極めて不利です。

しかしFaceBookであれば、まず「比較検索」をされることはありません。
必ず「名前(指名)」が先にきて、その後にそのひとのプロフィール(専門性)という順番で、アピールしたい情報(プロフィール)にアクセスされます。

例えば私のケースですと、比較検索というのは「フリー ITコンサルタント」や「FileMaker 長野」などといったキーワードをGoogleやYahooで検索されること。
これを比較検索といいます。

逆に指名検索というのは、そのものズバリを検索する。
例えば私のケースだと、Google検索で「岩佐和紀」と検索される。
この個人名を検索エンジンで検索することを「エゴサーチ」と言うそうです。
これは、同書を読むことで初めて知ったバズワード(?)になります。

さて、この「比較検索」と「指名検索」が、弱者にとって大きな差があるかは想像にたやすいでしょう。
比較検索を前提にしたブランディングというのは、広域戦であり、これは強者の戦略です。

比較検索を前提とするWebブランディングだと、他社と比較され、選択されることが重要となってきます。
よって、「他社のサイトと比較して」洗練されたデザインも必要でしょうし、何よりもSEO/SEM対策に神経を尖らせる必要があります。
その対策には、巨額の費用と労力が必要であり、弱者のフリーランサーが採用すべきでないことは明らかです。

しかし、指名検索を前提とするWebブランディングの戦術であればSEO対策は極めて簡単になります。

例えば私の例を見てみます。
私の名前をGoogle検索すると、まずTwitterのページが最上位に検索されてきます。
※ちなみに私と同姓・同名のプロボクサーがいるのですが、その方よりも上位に検索されるようです(笑)

このようにTwitterに「実名」を公開して、定期的につぶやくことによって勝手にSEO対策がなされます。
Twitterは指名検索に極めて最適なSEO対策ツールであり、また「弱者の戦略」を遂行する上でのアーミーナイフのような存在といえます。

但し、指名検索をしてもらうには、まず名前を覚えてもらわないといけないわけですが、ネームバリューのない私のようなフリーランサーは、自分の名前を覚えていただく機会が極めて乏しい。

っということで、自分の名前を覚えてもらうのにTwitterをつかうのは有効な手段ではないかと思うのです。

リアルの世界における信頼関係に置き換えて考えてみましょう。
人と人とが知り合い、打ち解けあうプロセスは、いきなり全ての情報をさらけ出すのではなく、当たり障りの無い、一般的な情報交換から、徐々に核心となる情報の交換に移っていくはずです。

こうやって、お互いが一歩踏み込む障壁を少しづつ下げてゆき、適切な距離を図りながら信頼関係というのは築かれていきます。

この徐々に情報を出すツールとしてTwitterは最適なツールになります。
そもそもTwitterが一度に140文字しか投稿できない制限があるので、まとまった情報を出すことは不可能ですし、Twitterのプロフィール欄もわずか160文字。極めて限られた情報しか発信することが出来ません。

ただ、限られた情報だからこそ、多くの人に自分という存在をカジュアルに知ってもらうきっかけにもなります。
重要なのは、Twitterを通じて自分に興味を持ってくれた人に、より自分の専門性・強みを知ってもらう導線をつくっておくこと。

これがBlogでありFaceBookになるわけです。

①Twitterで人の役に立つ情報をつぶやく。
②興味を持ってくれるひとが、Twitterのプロフィール欄を見る。
③簡単なプロフィールを見てもらう。(※実名を載せておく)
④より詳しく知りたいという人のためのプロフィールサイト(Blog/FaceBook)を用意しておく。
⑤自分に興味を持ってくれた人と、インタラクティブに情報交換ができる手段を用意しておく。

おおよそ、このような導線が出来上がります。

そして、③のプロフィール欄には、先にも述べたとおり実名を載せておくことが重要です。
それは、ズバリ自分の名前をエゴサーチしてもらうことが目的です。

フリーランサー、つまり弱者のwebを使ったブランディングは、如何に「エゴサーチ」の対象になるか、そしてエゴサーチで検索された結果が、自分を必要としてくれる人にとって、有用な情報が上位に検索されてくるかが重要になります。

このエゴサーチの入り口がTwitterとなるわけです。
このTwitterをエゴサーチの入り口にするという戦術は、佐々木俊尚さんの「ネットがあれば履歴書はいらない」で語られています。
個人的に、この部分は同書におけるTwitter利用の「キモ」になる部分だと認識しています。

そして最後のブログ。
私もFaceBookとTwitterのブランディングにおける活用方法については、すぐに理解できたのですが、Blogについてはどうしても「旧来のモノ」という印象が拭えず、どう活用するのが最も効率的なのか、捉えきれずにいました。

佐々木俊尚さんは、同書の最後で「ブログは講演会場、Twitterは立食パーティー」と表現されていました。
なるほど、そういう捉え方かとまさに目からウロコでした。

そうすると、Blogは「もし自分の専門性や成果を講演会で発表するとしたら、どう行った情報を発信できるか?」という表現の場、成果発表の場ということになります。
こういう役割が設定できると、その活用方法も明確になってくるのではないでしょうか?

また、導線の終着点がブログとなると、その入口に当たるTwitterでどういった内容をつぶやくのが有効なのかも必然的に見えてくるわけですね。

こうやって、一連のツールが有機的に組み合わさることによって、フリーランサーが構築すべき「仕事が向こうからやってくる」仕組みの土台が出来上がるわけです。

もちろん、実力のないフリーランサーは、ブランディングよりも先に実績をつくるなり腕を磨くなりして、「使える人」になることが先になりますからね(笑)

同書には、セルフブランディングを意識する上で、Twitterでつぶやく内容や、カジュアルツイートとフォーマルツイートのブレンド具合に関するサジ加減の"黄金率"にも触れられています。

また、Twitterだけではなく、FaceBook/Blogの活用方法、それにSBIビジネス等のWebサービスについてもしっかりと押さえられています。

ベビーユーザや専門家にとっては、もしかしたら物足りない内容かもしれませんが、各ツール同士の役割・位置づけ・連携方法がうまくまとめられた、「弱者のWebブランディング入門書」としては、極めて優れた書籍だと思います。

さて、今回も相変わらずの長文になってしまいましたが、まとめに入りましょう。

【まとめ】

1.フリーランサーはビジネス界の弱者であり、ブランディングにも弱者の戦略が必要。
2.弱者の戦略は接近戦、局地戦、集中突破戦略に集約される。
3.フリーランサーがネットでブランディングするには、これらの戦略を最も忠実に実行できるエゴサーチ誘導を最重要視すべき。
4.エゴサーチの入り口はTwitter。自分の専門性・強みをカジュアルにつぶやく。
5.Twitterを入り口として、自分の専門性をアピールできる仕組みを用意しておく。それがFaceBookであり、Blogである。
6.ブログは講演会場、Twitterは立食パーティと意識。発信する内容にフォーマルとカジュアルの色付けをして、メリハリを付けることが重要。

こんな感じのまとめです。

これを受けて、私のFaceBookやTwitter、Blogで発信する内容も、もう少し絞り込む必要がありそうですね。

さらにブログの書き方、相変わらず文章が長い。
もしかしたら、これが最も反省すべき点かもしれません・・・

また、その前に、自分の専門性、強み、そしてユニークな部分をより明確にすることが、その先のブランディング術を一貫したものにするためにも必要です。

個人的に考察した結果を羅列しただけの、長い長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

こちらに出した情報が、あなたのお役に立てれば幸いです。

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2011年4月18日月曜日

フリーランサーのセルフブランディング -その1-

ここ数日、暖かい日が続いていますね。

こちら、長野県飯綱町の自宅でも、ようやく梅の花が3分咲きといったところです。




さて、今日は佐々木俊尚さんのご著書「ネットがあれば履歴書はいらない」の読了を経て、考察したことを書きたいと思います。


この著書のサブタイトルは「ウェブ時代のセルフブランディング術」とあります。


この本を手にとったきっかけは、今回の震災をきっかけに今一度、社会における自分の存在意義というものを、しっかりと考え直すタイミングにきていると感じたからです。

あの震災後、いちフリーランスのSEとして、自分はいったい何が出来るのだろう・・・
ずっと考えてきました。

この難解な問いに対して、一筋の光明が見えたのが、先日ブログでかいた「全脳思考を仕事の現場で使ってみた」の中に隠れてることに気が付きました。


その見えた光を言語化するのは、まだ少し難しい(早い)段階だと思いますので、あえてここでは書かないことにしますが、そういった内省的な変化を受けて、今一度、自分の立ち位置というのを明確にしておこうと思ったわけです。

さて、私のようなフリーランサーは、ブランドの象徴でもある「企業の看板」というモノがありません。

私は過去に、BMWやDOLCE&GABBANAなど、世界にも通用する「ブランド」のある会社で働いていたこともあり、「ブランド」がもつ圧倒的なパワーというものを、身を持って体感した経験を持っています。

そういった経験からも、高品質な仕事を安定的に獲得するには、自分そのものを「ブランド化」することは極めて重要であると、本書を読んで改めて認識した次第です。


では、まず本書を読み進めていくにあたって設定した「セントラルクエスチョン」についての考察です。

ちょっと脱線しますが、本を読むときには、必ずセントラルクエスチョンを定義しておくと読みっぱなしにならずに質の高い読書ができます。本の読み方について勉強されたい方は読書術の古典である「本を読む本」を読まれるとよろしいかと思います。

私が、本書を読む上での通貫した問は、なぜフリーランサーに「セルフブランディング」が必要なのか?

この問が、本書を読み進めるにあたってのセントラルクエスチョンになります。

・・・っといことで、まずはこのセントラルクエスチョンを設定した背景について考察していきましょう。

突然ですが、フリーランサーは「営業」ができません。

できないと言い切ると、「そんなことないでしょ?」と思われるかもしれませんが、私はあえて営業はできないと考えるようにしています。

理由は2つ有ります。

ひとつは、フリーランサーのビジネスというのは、営業のような直接対価を産まない稼働時間を潤沢に取れないという理由。

そして、もう一つは、「営業をしなければお客を取れないようなフリーランサーは企業と対等な契約が結べない」という理由からです。

まず前者から考察していきましょう。

営業というのは、ファーストコンタクトから実際の契約にいたるまでに、それなりの稼働時間を要します。そしてこの契約までに至る時間は、基本的に対価を求めることができません。せいぜい、それまでに稼動した時間を契約金の中に「まぶし込む」のが関の山です。

この対価を産まない稼働時間が長い「営業」というプロセスは、キャッシュフローの小さいフリーランサーには死活問題になります。

このリスクヘッジとして、その営業そのものを、フリーランスと企業を仲介するエージェントさんに任せるという手もあるのですが、これはまた別の弊害を生むことになります。

その弊害が後者の契約に関することになります。
弊害とは、エージェントが取ってくる仕事の質です。

エージェントが取ってくる仕事というのは、基本的に大手の下請けのような仕事がメインです。
とてもフリーランサーと企業側が対等な契約が結べるような条件での仕事はありません。

私もこの業界でたくさんのフリーランスSEを見てきましたが、企業と対等のレベルで契約をして仕事をされている方は極めて少数で、ほとんどのフリーランサーは下請けレベルの仕事に甘んじているのが現状です。

ちなみに、下請けの仕事が悪いというわけではありません。

ただ、下請けというのは基本的に「使い捨てられる」運命にあります。
ただでさえ営業活動の厳しいフリーランサーが、「切り捨て前提の仕事」をメインにするとなると、常に新規のお客さんを探さなければなりません。

安定的に高品質な仕事をするのが極めて厳しくなります。

また、企業と対等に契約できないとなると、本来言うべき意見を言えなかったり、このままでは失敗すると分かっている仕事でも、指を加えて見過ごすような事になることもしばしばです。

こういった弊害があるので、本質的にフリーランサーは営業活動ができないというのが、私の認識であり、だからこそフリーランサーはセルフブランディングというものを意識しなければならないという結論に達するわけです。

それでは、「ブランド」とは一体なんなのでしょうか?

ブランドを一言で表すと、それは「信頼」ではないかと思います。
もちろん、見栄えのよいロゴマークや、洗練されたキャッチコピーなども重要だと思いますが、それはあくまでも表面的な部分であり、ブランドの本質はやはり「信頼」だと思うのです。

ブランド=信頼と定義すると、セルフブランディングとは、「その個人が社会的な信頼を得るためのすべての活動」と定義することができそうです。

このセルフブランディングを、意識的・無意識的に関わらず、実行されていて、それがうまく機能している方達というのは実際にいます。

そして、そういったセフルブランディングがうまく出来ている人を観察していると、営業などしなくても仕事は向こうからやってくることに気が付きます。


  • あの人に任せておけば大丈夫。
  • あの人に任せておけばうまくやってくれる。
  • あの人と一緒に仕事をすると成長できる。
  • あの人と一緒に仕事をすると楽しい。


→だから、今回の件もあの人に任せよう!

こういった状況は、全て「信頼(=ブランド)」が生み出した結果だと思います。
そして、こういった「仕事が向こうからやってくる状態」を、フリーランサーこそつくっておかなければならない。

なぜなら、企業の看板もなければ、自分を売り込む営業活動もできないのだから・・・

こういった結論に達するわけです。
これが、なぜフリーランサーに「セルフブランディング」が必要なのか?の背景になります。

それでは、具体的にどうセフルブランディングをしてくのか?

次回は、佐々木俊尚さんが本書に書かれていた方法論に触れながら、それについて書きたいと思います。

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2011年4月14日木曜日

全脳思考を仕事の現場で使ってみた。

一昨日、昨日と毎週恒例になりつつある東京出張に出かけてきました。

一昨日は、地震の当たり日・・・

自宅から最寄りの牟礼駅から一駅目の豊野駅に停車中、電車内で一斉に緊急地震速報のアラームが!
その後、かなり強い揺れを感じました。

もう帰ろうかなぁ・・・ っと心が折れそうになりながらも、10分程度の遅れで長野駅へ。
そこから新幹線に乗り込んで、いざ東京に向けて出発。

またもやひと駅目の上田駅直前で地震発生!!
新幹線は緊急停車し、停電のためか社内の照明と空調が全て切れた状態になりました。

幸いにして10分程度の緊急停車で電源が復旧し、新幹線も無事に走り始めたのですが、ああいった非日常空間で地震にあうと、いろんなコトを考えてしまいます。

ただ、そんな不安になっている私を横目に、ワゴン・車内販売のお姉さんは、緊急停車中にも「コーヒーいかがですかァ~」っと普通に業務を遂行されていた(笑)

すごいプロ根性を見せていただきました。

さて、前置きが長くなってしまいました。
本題に入ります。

昨日、コンサルティングの現場で、はじめて神田昌典さんの「全脳思考」メソッドを使ったファシリテーションを行いました。

全脳思考とは、脳の右側と左側それぞれが持つ特性を、バランスよく使い、問題解決の為のブレイクスルーを打ち出すためのメソッド。

詳しくは、神田昌典先生の『全脳思考』をお読みください。


個人的に、「脳の右側と左側をバランスよく使う」に関しては、数年前に「スリーインワン・コンセプツ」という、ストレスマネジメントメソッドを知り、それを勉強・実践したことをきっかけに、その効果を十分に認識していました。

スリーインワン・コンセプツ:http://www.3in1concepts.ne.jp/about/index.html
スリーインワンの私の師匠:http://homepage2.nifty.com/f-style/

しかし、脳の右側の強み、つまりイメージであったり抽象的な情報処理に関しては、なかなかビジネスの現場に持ち込むのが難しい・・・

例えば、スリーインワンでは、自分の「信じこみ」、例えば「自分は◯◯な人間だ」や「世の中なんて◯◯だ」といった、潜在的な「信じこみ」を解放し、無意識に踏んでいた心のブレーキを外すために、たくさんのイメージワークをします。

イメージワークも多くの手法がありますが、基本的には腹式呼吸を用いて、脳波を緊張状態のベータ波から、リラックス状態のアルファ波に誘導します。

その後、イメージ誘導(≒催眠誘導)等の手法を使って、頭に浮かんできた言葉やイメージを使って、問題を特定したり、問題そのものをイメージの世界で打ち消す(燃やす・壊す・捨てる等)といったことを行います。

この全脳思考にも、こういったイメージの力を使って問題の特定や、問題解決法の模索を行うステップが組み込まれています。

こういった「あまり学校では習わない」「一般的ではない」「ややオカルトチックな」手法を、ビジネスの現場で使うのは、相当のリスクと覚悟が必要になります。

一歩間違うと「怪しい人」というレッテルをはられてしまい、やもすると仕事を失ってしまう可能性すらあります。

こういった恐怖もあり、右脳領域を使った問題解決の効果については、スリーインワンの勉強と実践を通して、個人的にはすごい効果があることを実感していたのですが、それをビジネスの現場に持ち込むことは、この数年、なかなか出来ていませんでした。

しかし昨日、クライアントさんからのたっての希望で、全脳思考メソッドを使って、問題解決の糸口を見つけ出すためのファシリテーションをさせていただきました。

その内容についてはもちろん守秘義務があるので書くことはできませんが、ミーティングの最後には、参加者が皆、目に涙がうっすらと滲み出るほど、深い部分で「つながった」ような一体感が出き、ミーティング開始前には重苦しい雰囲気だったミーティングルームもすっかり明るく、意欲に満ちた空気に変化していました。

私自身、正直、これほどまでの効果が出るとは、思っておりませんでした。
そして、ビジネスの現場も、これから先、大きく変わっていくと確信をもって感じました。

数年前であれば、こういったコンサルティングの現場でイメージ誘導をするなんて考えられませんでした。
それが、昨日の出来事で、ある意味この先の「成功するビジネスの方向性」までが見えた、そんな感覚を覚えました。

この成功を経て、私は少しづつ、自分がスリーインワンで勉強したいくつかのメソッドも、ビジネスの現場で使っていきたいと考えています。

どの部分を、どういったシーンで使うか・・・
改めてスリーインワンの勉強をし直したくなってきました。

しかし、なんだか「こういった時代が来たんだなぁ~」と不思議な感覚です。


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2011年4月9日土曜日

GTDを継続する上でもう一つ大事なこと:フロー状態

今朝は雨模様の長野県飯綱町です。
昨日、今日とストーブ無し、部屋の中でもコート・ジャンパー無し(笑)で快適に過ごせる気温です。暖かくなりましたね。

さて、本日は、昨日書いたGTDのことについて、あまり一般的なビジネス書では書かれていない、しかし非常に重要だと思っていることについて書きたいと思います。

そもそもGTDのようなタスク管理を実践する、もしくは実践したい目的というのはなんなのでしょうか?

「仕事を効率化したい」
「よりデキルビジネスパーソンになりたい。」
「収入を増やしたい」
「家族と過ごす時間を増やしたい」

e.t.c..

人はそれぞれ、いろんな考え方、価値観、きっかけから、『今のままではいけない』という衝動に突き動かされて、新しいメソッドに取り組むはずです。

しかし、これら様々な考え方・価値観を、ぐぅ〜んと抽象度を上げて眺めてみると、それはみな「より良い、幸せな人生を生きたい。」この一言に集約されるのではないでしょうか。

現状をより良くしたい、だから現状を変えたい、現状を変えたいから、新しいツールやメソッドを身につけたいという流れは、GTDに限らず、意欲を持って、なにか新しいことに取り組む際には、必ず心のなかにあると思います。

しかし、こういったタスク管理系のツール・メソッドは、その本質の部分を忘れて、「タスク管理をすることが目的化」してしまうと、当初の目的であった「より良い幸せな人生を贈りたい。」という目的にまで辿りつけなくなるというのが、個人的な体験談から思っていることです。

私も過去、ポスト・イットを使ったタスク管理や、7つの習慣の手帳術、その他著名ビジネスパーソンが推奨する手帳術等、たくさんの「人生コントロールツール」にトライしてきました。(そしてそのたびに挫折してきました。 orz)

たくさんのタスク管理手法を試してきた私が、GTDを実践する上で気を付けていることが、「必要以上にタスク管理を完璧にやらない。」という事です。

常に、車のハンドルでいう『遊び』をつくっておくわけですね。

ただし、車と同じで、全てに遊びを作っていいというわけではありません。
どこに遊びを作って、どこを精密にしておくかについては、車と同様に大事なことだと思います。

そこで私が実践しているのが、「嫌いな仕事は精密に・好きな仕事にはたっぷり遊びを」という管理手法(?)です。

例えば私の場合、嫌いな仕事というのが、領収書の入力であったり、書類の整理であったり、引き出しの整理であったりといった、あまりクリエイティブでない仕事。

こういった仕事は放っておくと、どんどん溜まってしまう傾向にあります。

そしていざ、これらの仕事に着手しようとしても、モチベーションが上がりません。
なんとなくネットに逃げたり、ダラダラとやっているうちに、30分で終わる仕事が、すぐ1時間ぐらい過ぎてしまいます。

こういった自分の嫌いな仕事、不得意な仕事には、明確に締切りを設けて、出来ればタスクを15分単位ぐらいにまで細分化して、小さなゴールをたくさん設定することで、モチベーションを上げるようにしています。

これにはGTD、そしてFreeMindがすごく役に立ちます。

逆に自分が大好きな仕事、例えば企画書を書いたり、システム設計をしたり、プログラミングをしたりなどのクリエイティブな仕事、創造性のある仕事については、できるだけ締切りを設けず、仕事も細分化しないようにしています。

理由は、自分が好きな仕事をしている時間は、フロー状態に入りやすい状況をできるだけつくるためです。

フロー状態については、書くと長くなってしまうので、wikipediaをご参照ください。

フロー:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%BC

フローに入るためにまず何よりも必要なのが、リラックス状態にあること。
なので、細かいゴールや細分化されたタスクは、かえってリラックス状態を作るのに、邪魔になるのです。

自動車でドライブをしているときに、5分おきに目的地がくるよりも、2・3時間のあいだ、楽しく運転している方がリラックス出来ますよね。

それと同じ原理です。(ちょっと強引?)

そしてリラックス状態をつくるためにもう一つ大事なことが、他に気になる未完了な仕事が可視化されていることです。これにはGTDが役に立ちます。

大好きな仕事をしている時でも、自分があまりやりたくない仕事が潜在的に頭の中にモヤモヤしていると、どうしてもリラックスした集中状態に入ることが出来ません。

なので、やりたくない仕事(出来れば先延ばししたい仕事:笑)は、できるだけ細かく、細分化して、見える状態にしておくことが大事なのです。

よって、「嫌いな仕事は精密に・好きな仕事にはたっぷり遊びを」という結論にたどりつき、またこの姿勢を実践していくなかで、効果を実感できている状態です。

纏めると・・・

・GTDを含めたタスク管理に取り組む上で大事なことは、その目的を常に意識すること。
・タスク管理そのものが目的化すると、必ず挫折する。
・タスク管理が苦しくなってきたら、なんのためにそれをやっているのか、その目的に立ち返ることが重要。

・必要以上に細かいタスク管理は、フロー状態を阻む。
・人間が最高のパフォーマンスを発揮できるのは、フロー状態にあること。
・タスクの特色や「主観的な好き・嫌い」で、細分化レベルをコントロールすることが望ましい。

こんな感じになると思います。
ちなみに、私はこのように自分が思っていることを文章にするのも大好きな仕事のひとつです。

なので、いつもとりとめのない長文になってしまうんですね〜
もう少し文章が上手に書けるようになりたいものです。

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 FileMaker認定デベロッパーVer10/11

2011年4月8日金曜日

GTDタスク管理とサポートツール

ずいぶんと久しぶりの更新になりました。

最近FaceBookをはじめたのですが、FaceBookのノート機能がブログに近いということでしたので、そちらにはちょこちょこと投稿をしておりました。

まだイマイチ、ブログとFaceBookの住み分けが出来ていない私なので、いっときは双方に投稿してみようかと思います。

さて、今回はタスク管理に関する話題です。

ズボラの神さまから『分け御霊』をいただいて生まれてきた私としては、日々のタスク管理・ToDo管理が人生において解決すべき大きなテーマのひとつです。

このテーマに取り組んでいく中で、GTDという手法に出会いました。
私はこちらの本を読んではじめて『GTD』を知ったのですが、下記のWebサイトにも理論と実践をおりまぜた形の極めて分かりやすい情報が掲載されています。
ご興味をもたれた方はまずWebサイトをじっくりと読み込むことをおすすめします。

GTD関連の書籍
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術:http://amzn.to/hFCCbh
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則:http://amzn.to/g46to2

Webサイト
はじめてのGTD : http://bit.ly/85aPEe

私がGTDを本格的に取り入れ始めたのはここ2ヶ月ぐらいですが、ようやく使いこなせるレベルになってきたという実感が持てるようになりました。

その『使いこなしている感』を感じている最大の理由のひとつが、GTDを実践する上でのツール群が手元に揃ったという感覚です。

GTDの特徴として、『ツールを選ばない』というのがあります。
これは柔軟性があって良いことなのですが、逆を言うと、自分の手に合うツールは自分で見つけなければならないということです。

そして私が様々な方法にトライして、ようやくたどり着いたのが次のツールたちです。

①FreeMind
②iPad
③iThoughts HD
④DropBox
⑤ScanSnap
⑥GoogleCalendar/GMail

ここから先はGTDの5ステップに準えて、各ツールをどう使うのか、書いていきたいと思います。

【ステップ1:収集】
このステップは、とにかく今頭の中にあるモヤモヤを、見える化することが目的になります。
一般的にブレインダンプなんてよばれるステップです。

私はこのステップでFreeMindを使います。
FreeMindはなんちゃってマインドマップを書くツールとして、私の周りではかなり普及しているツールです。
っというよりも、私が無理やり進めているという実態があるようです・・・

このFreeMindに、まず頭の中にある全てのもやもや(未完了タスク)を書き出します。


【ステップ2:整理】
ここで一気に吐き出したモヤモヤを、GTDのルールにしたがって、仕分けしていきます。
仕分けももちろんFreeMind上で行います。

FreeMindの良いところは、ひとまずばぁ~っとブレインダンプしたあと、それを構造化するのが極めて簡単だということです。
手書きのマインドマップだと、出すところ(発散)まではできるのですが、それを構造化(収束)させるために、もう一度別のマインドマップを書く必要があります。

しかしFreeMindなら、ブランチをグリグリと動かすだけで、サクっと構造化することが可能です。

未完了タスクの構造化が終了したら、次にそれらのタスクを完了するために必要な時間を見積もり、それを各タスクにラベリングしてきます。

私はこれにもFreeMindを使っています。
ラベリングは、FreeMindのVer0.9.0から使えるようになった「属性マネージャ」を使っています。
属性マネージャは、そのUIが極めて分かりづらいので、使いこなしている方がどれほどいるのか疑問なのですが、使い慣れるとこれほど便利なものはありません。

後日、属性マネージャの使い方についてもアップしてみたいと思いますが、ひとまず未完了タスクに、「5分以内」「30分以内」「1時間以内」「半日以内」「1日以内」「1日以上」といった、ラベリングをするとだけ書いておきます。

こうやって属性マネージャを使ってラベリングをしておくと、吐き出した数十の未完了タスクから、5分以内に終了できる物だけをサクっとフィルタリングして表示させることができます。

この機能を使うと、ちょっとした空き時間が、5分以内に終了できるタスクを消化できる時間に代わります。

また、1日以上というラベルの付いたタスクは、まだその仕事の内容が十分に吟味されていない、つまり細分化が不完全という事なので、そのみ完了タスクに小ブランチをバンバンぶら下げて、仕事の内容を細分化していきます。
出来れば全てのを1位時間以内に出来ることまで細分化していきます。

細分化ができたら、それぞれの小ブランチに、同じく属性マネージャを使って、見積もり時間をラベリングしてきます。
こうして仕事を細分化すると、俄然、「未完了タスクの攻略」というミッションに、モチベーションが上がってきます。

さて、ここまでFreeMindをタスク管理に使っていると、当然FreeMindで作成したこの未完了タスクリストを持ち歩きたくなります。
そこで活躍するのが、iPad+iThoughts HD+DropBoxです。

iPadとDropBoxに関する説明はもはや必要ないほど普及していると思っていますので、ちょっとマニアックなiOSアプリである『iThoughts HD』だけ補足します。

これは、iPadでMindMapを書くことができるiOSアプリなのですが、PCで作成したFreeMindファイルをiPadで読み込み・編集ができるというスグレモノ。

DropBoxと組み合わせることにより、PCで作成したタスクリストをiPadでも読み書きできるようになります。
これがGTDを継続利用する上で、極めて重要な要素になります。

GTDを継続するうえで、重要な要素として、タスクリストがいつでも・どこでも参照可能・編集可能ということが挙げられると思います。

【ステップ3:整理】
ステップ3では、書き出したリストをそれぞれ自分の使い慣れたツールに落とし込んでいくというフェーズになります。
一般的には、このタスクリストを手書きメモやGMail/GoogleCalendar、RememberTheMilkなどのタスク管理ソフトに『転記』するというというのが具体的な作業になります。

私はここで、GoogleCalendarと、FreeMindのカレンダー・リマインド機能を「併用」しています。
ミーティング・出張等、ひとかたまりのタスクが数時間になるような予定、もしくは携帯メールにリマインドを飛ばしたいような締切りを持つようなタスクは、GoogleCalendarに転記し、それ以外の締切り管理はFreeMindで行っています。

最初は、締切り設定しているタスク全てGoogleCalendarへ転記していたのですが、これではあまりにも非効率ですし、作業量も膨大になります。

正確性よりも継続性を重視した結果、最低限の転記のみにしています。

その分、いつでもどこでもFreeMindが見れることが重要になってくるわけです。

【Step4:レビュー】
レビューの目的は、個人的に2つの役割を持たせています。
ひとつは優先順位変更や作業量ラベリングの付け直し、ひとつはアイデア出しです。

前者の「優先順位変更や作業量ラベリングの付け直し」は、書いて字のごとく、一度設定した優先順位、作業時間ラベルを、セルフレビューして付け直す作業です。

特に、人間は作業時間を見積もるのが下手です。
例えば、1日かかると思っていた作業が半日もかからず終了したり、2時間で終わると思っていた作業が、1日かかったりということはザラにあるのではないでしょうか?

未完了タスクを30だして、それらすべての作業時間を正確に見積もってラベリングするのは至難の業です。
なので、直近の作業実績を勘案して、作業時間の見直しを行うのは非常に重要です。

そして後者の『アイデア出し』ですが、これは「今ある未完了リストをできるだけ早く終わらせるには?」や、今手がけている仕事から新しい仕事のアイデアは?っといった、発想の時間になります。

これには、あえて「手書き」のマインドマップを使っています。

発想を促すには右脳さんに活躍していただく必要があるのは既に常識になりつつあるのですが、その右脳を活性化するひとつの方法が手書きによるマインドマップです。

手書きであれば、図・イラスト等を多用することができます。
コンピュータを使ったマインドマップは、この部分が不得意なので、イメージを使った発想が必要な場合においては、あえて手書きのマインドマップを書くようにしています。

書いたマインドマップは、ScanSnapでスキャニングし、PDF化してDropBoxに放り込んでおきます。
以前はEverNoteを使っていたのですが、個人的にこのツールはどうしてもしっくりこないので、今は使っていません。

【ステップ5:実行】
あとはゴリゴリと仕事を片付ける。
片付けた仕事は、FreeMindから消すのではなく、別の完了MMを作成しておき、そちらに移していきます。
こうすることで、いつ何を完了させたのかがログで残ることになります。


以上、GTDの実践と、それをサポートするツールについて書いてみました。
書いている中で、もう少しブラッシュアップできそうな部分も見つかりましたので、そのあたりのアイデアも追々書いていきたいと思います。


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株式会社ライジングサン・システムコンサルティング 
岩佐和紀 
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