我が家周辺は治安が良いこともあり、夜寝るときは窓全開で寝ているのですが、朝方は寒くて目が覚めることがあります。
今年は記録的な猛暑で、寝苦しい夜が続いていたのですが、ようやく北信州らしい気候になってきました。
さて、今日は情報システム開発業における弱者の戦略ということで書いてみたいと思います。
情報システム産業は、長引く不況の影響で、経営が苦しくなるソフトウェアハウス・システムインテグレータが相当数に昇っているのは、業界の方であれば周知の事実であると思います。
実は先日も、複数のソフトウェア開発会社の営業さんや経営者さんから、仕事が無くて困っている、案件が決まらずに困っているという話をお伺いしました。
2008年のリーマンショック以降、「真水キャッシュフローの源泉」である常駐技術者を返されたり、1000万円を越える案件の受注率が極めて悪くなったりと、中堅・中小規模のソフトウェア開発分野における経営環境は極めて悪くなっているようです。
翻って、私がお付き合いをさせていただいている開発会社さんの中には、仕事を断らなければならないほど活況な会社もあります。
双方ともに規模としては数十名規模、同じソフトウェア開発会社を生業としているのに、この差はどこから出てくるのでしょう。
今日はこんなことを考えてみたいと思います。
考えるベースになっている世界観は、弱者の戦略・ランチェスター経営です。
現在の日本におけるソフトウェア開発会社は、メーカー系の大手を除いてその99%が「弱者」と考えてよろしいでしょう。
例えばこの地域では一番の・・・という会社でも、ここ数年の技術動向から考えると「弱者」であると考えるべきです。
それが数十名から数百名規模の中堅・中小レベルであれば、圧倒的な番外弱者と考えたほうが良いでしょう。
このランク付けのキーとなっている技術動向・技術トレンドというのはズバリ「クラウド」です。
この技術トレンドのおかげで、地方の小さな開発会社であろうが、都内の数百名規模の会社であろうが、世界的なクラウド技術プロバイダーであろうが、同じ競争空間に放り込まれてしまうのです。
クラウド化の本質は紛れも無く仮想化・バーチャルかであり、これを経営戦略という視点からみると、競争の優位性が物理空間(リアル)から情報空間(バーチャル)に移ることにあります。
情報空間とは限界効用逓減の法則が働かない世界なので、独占した人たちが圧倒的に優位な競争空間です。
世界的企業と数名・数十名規模でシステム開発している会社が、バーチャル空間上で同じ土俵に上げられて、いつの間にか競争させられているんですね。
地方で数名規模でソリューション開発をしている会社と、SalesForce.comのような世界規模で商売をしている会社が比較されてしまうのが「情報空間」における競争の本質です。
例えば、「いつも付き合いのあるあの会社に開発をお願いするのと、セールスフォースを使うのはどっちが得だろう?」
ソフトウェアを発注する側であれば、こういった考慮は必ずされるでしょう。
実はこの時点で、数十名規模の会社と世界規模のクラウド屋さんが比較されてしまっているのです。
だからこそ、一般的な開発会社は弱者の戦略を徹底的に研究し、それを実践するしか生き残る道が無いのです。
冒頭に上げた、経営が汲々としている会社さんと、仕事を断るぐらいお客さんから問合せが来ている会社の違い。
これは、意識的にか無意識的にか解かりませんが、後者の会社さんはしっかりと「弱者の戦略」を実行されているように思えます。
顧客・商品の絞込み、そして「接近戦」といったことをしっかりされているんですね。
さらに戦略ではなく戦術レベルの話をすると、ソフトウェア開発業で極めて重要なのが、自社で取り組む技術分野の絞込み。
これは「武器の選択」といっても良いでしょう。
弱者が採用すべきは、接近戦に優位な武器。
自社が絞り込んだ業界・客層に優位な武器は何なのかをしっかりと見据える必要があります。
ここで明らかなのは、強者が使う武器を使って戦ってもダメだということ。
弱者には弱者にふさわしい武器があるし、その武器が通用しないところには出て行ってはいけない、そういった土俵に登ってはいけないということになります。
ちなみに、私はこの弱者の武器としてFileMakerテクノロジーを選択しています。
私は「実装能力のあるITコンサルタント」なので、システム企画や要件定義の仕事がメイン名のですが、実装フェーズに自らが動くこともあります。
その時に使うのがFileMakerテクノロジーです。
これは、私のような弱者にはぴったりの武器です。
これを使うことで、強者の武器を使って戦っている中小規模のソフトウェア会社の技術者数人分の仕事を、私1人でこなすことができます。
結果、お客さまからは喜ばれるし、自分自身の仕事にも誇りと自信を持つことができます。
注意しなければならないのが、世の中に出回っている技術情報は、そのほとんどが強者が使うべき武器の情報で、弱者が使うべき武器の情報はまったくといっていいほどメジャーなメディアでは取り上げられないということ。
情報システム開発業における弱者の戦略は、メジャーメディアでは絶対に取り上げられないので、自らが研究し、実践し、トライアンドエラーで見出す以外に方法はありません。
また、弱者の戦略を勉強するのであれば、ランチェスター経営の竹田先生が作られている教材、そして神田昌典さんのダントツ企業オーディオセミナーをはじめとする各種教材はすごく勉強になります。
ランチェスター経営:http://www.lanchest.com/
神田昌典さん:http://www.kandamasanori.com/
弱者の戦略、勉強しましょう!
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株式会社ライジングサン・システムコンサルティング
岩佐和紀
URL : http://www.risingsun-system.biz/
認定資格 :
上級システムアドミニストレータ
FileMaker認定デベロッパーVer10/11
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